第5話 幽霊のお引越し

(曲は近況ノートのリンクから聴いてください。こちら。

https://kakuyomu.jp/users/kyuno-kana/news/16818093089536797643 )


 トラックボールどうしよう。愛用のトラックボール、マウスの代わりにポインタを動かす機械ね、の調子がわるいのです。ポチっとクリックするとダブルクリックになることがあるのです。これは寿命ですな。

 おなじ製品を買いなおそうかと思って調べると、ない! ございません! 定番商品ではないのか。もういやになっちゃう。

 わたくしが使っているのはロジクールという会社のトラックボールです。昔はロジテックと言っていたみたい。日本でだけロジクールを名乗っているみたいだから、本名はロジテックで日本名ロジクールですかね。外国人登録みたいなものか。知りませんけれど。


 トラックボールには、ボールの位置にバリエーションがあります。親指で操作するのと人差し指と大きく分けて2種類ですかね。

 わたくしはだんぜん人差し指派です。中指も使いますけれどね。親指で繊細な動きはしにくいし、親指はあまり駆使するものではないでしょう。ターンとエンターキーを叩くのに使っています。セパレートタイプのキーボードなもので。以前は小指でターン! していましたけれど。親指のほうがしっくりくるようになりました。


 さて、困ってしまうのが次世代トラックボールくんです。いま使っているのは太ったプラナリアみたいな左右対称、シンプルなトラックボールなのですけれど、流行は親指トラックボールで機械っぽいやつ。ボタンがいっぱいついていたりね。

 アマゾンで探せば見つかりますよ、同じ製品。でもね、4万円なんてボッてる業者から買いたくありません。もとは1万円台ではなかったかな。3倍はボッています。

 ちなみに近いデザインのものはケンジントンというメーカーから4,000円しない製品が販売されています。ちょっと近未来というか、昔の未来って感じのシルバーと黒の宇宙を飛びそうなやつです。宇宙を飛び出したら大変なことになってしまいますけれど。異次元空間ですな。翼みたいに左右に出っ張りすぎて邪魔そうです。

 安いし試しに買ってみるかって気にはなりますね。4万円よりはね。


 ちなみにですけれど、わたくしはワイヤー派です。ワイヤレスにすると電池がはいって大きくなるし、充電しないといけないし、嫌いです。マウスと違って動かさないからケーブルが邪魔になることもありません。デスクの掃除には邪魔ですけれど。掃除なんてしませんからモーマンタイ。掃除しないのが問題ですけれど。

 トラックボール問題、やっかいです。


 ひとはいつだって問題を抱えているものです。問題とともに生きよ! ナイン・ウェイブズ、スタートです。



(1曲目)

 アイアン・メイデン「フィア・オブ・ザ・ダーク」。動画がなくてジャケットだけで動きはなしで。

(ここで曲を聴いてください♪)


 アルバムのタイトル・ラックでした。このアルバムのツアー途中でボーカルのブルース・ディッキンソンが脱退を表明、ツアー終了後に正式脱退したのでした。

 つぎのボーカルはブレイズ・ベイリーが加入しました。初代のポール・ディアのみたいな野獣系ボーカルだったのですけれど、アルバムの曲はプログレ的でテクニカル、相性悪すぎました。曲はよかったのにボーカルがねえと言われまくりましたよ。

 そのあともう1枚アルバム作ってブルースが復帰、ブレイズはお払い箱になりました。ブルースが復帰してよいアルバム作ったからファンはメデタシメデタシでしたけれどね。



(幽霊のお引越し)

 本日気づいてしまいました。わたくし、幽霊と同居をはじめました! ひえー。

 ちなみに本日というのは、最近梅雨が明けたらしい7月24日の土用の丑の日です。お盆ではない。お盆なら幽霊は実家に帰って、わたくしのところにはいないはずですね。

 さらにちなみに、本日の夕食はうなぎではない。わたくしは一般のカレンダーにはしたがわないアナーキー・イン・パリなもので。パリ在住設定ね。架空のパリだけれど。たまねぎ、ピーマン、にんじんを炒め、豚肉焼いたのに焼き肉のたれをぶっかけて全部まぜたやつという複雑なレシピの料理を食べました。みそ汁の具はとうふにわかめ、そこへちくわを斜め切りして投入したやつです。名前の付いた料理はない。


 なぜ幽霊と同居なんてとち狂ったことに気づいたかというと、パソコンのある部屋へもどろうとしたとき、ドアがすこおし開いていたのです。カチャッとしっかり閉まりきらずに、自然とすこしもどって開いた状態になったような開き方です。

 そんなことが、本日2回あったのです。1日に2回も。1回くらいなら、閉めるときに力が弱くてうまくドアが閉まらなかったなんてこともあるかもしれませんけれど、1日に2回閉まりきらずに、そのことに気づきもしないなんてことはあり得ません。断固あり得ません。わたくしにかぎって。あるはずもなし。

 ということで、わたくしの部屋に幽霊が住み着いていることが確定しました。


 さて、ここまで話が進むと、名探偵ならナイン・ウェイブズに電話をかけてきて自首を勧めることでしょう。でも、証拠は? 証拠はありませんな。ミステリーのネタには使えません。幽霊が証拠だなんて言ってもミステリーファンは納得しません。

 名探偵ではないリスナーさんには説明が必要かもしれません。


 今まで幽霊がいなかった。わたくしの部屋に幽霊がいるなんて話はしたことがないし、わたくし自身認識していないし、事実として幽霊はいなかった。たぶんね。

 なのに、本日から幽霊があらわれるようになった。ね? わかりますね。わたくし人を殺しとりますがな。殺された人が地縛霊としてわたくしの部屋にあらわれるようになったというわけ。くそっ、化けてでやがって、お祓いしてやる! 異世界転生しろ!



(2曲目)

ライチャス・ブラザーズ「アンチェインド・メロディー」。映画「ゴースト」の主題歌です!

(ここで曲を聴いてください♪)


 誰だよ、ライチャスって。ブラザーズって、マリオかよとお思いの方も多いことでしょう。わたくしも同じ気持ちです。

でも、曲を聞いたら一発でわかりましたよね。有名な曲です。このひとたちのために書かれた曲ではないのですけれどね。カバーです。もとは「アンチェインド」という映画の主題歌だそうです。調べました、我らがウィキペディアで。

 ゴーストはただの感動ラブストーリーとみせかけてミステリーでもあります。いや、サスペンス?

 ろくろを回すシーンが有名ですな。幽霊だから、うしろにいる男の人は見えないわけですけれど。

 曲の話をすると、盛り上がりの部分でグッチ裕三の歌っている姿が頭から離れなくなります。あの発声方法ですな。



(幽霊のお引越し)

 幽霊のお引越しというより、むしろ幽霊誕生ですな。おめでとう。死体の転がった部屋からお届けするナイン・ウェイブズ、神回になりますな。おめでとう。死体が転がっているから仏回か。うまいこと言いました。でもPVは10くらい。めでたくありません。


 話したいことは話し切ってしまいました。ここからが勝負です。ネタが尽きたところからが本番ですな。小説と同じです。ネタがそろってから書きはじめられればよいのですけれどね、世の中そんなに甘くない。ネタがそろうって、すし屋じゃないんだから。ねえ?


 せっかくだから死体の話をいたしましょう。ミステリーの書き方で、はじめに死体を転がせというテクニックがあります。これこそまさに、ネタが尽きたところから勝負。最初からネタがない。死体を転がしてどうなるんだ、先に進めないぞとなること必至な使えないテクニックです。

 とはいえ、なんでも試してみるわたくしです。やってみました。では、ご紹介しましょう。はじまりはじまり。


💀 💀 💀 💀 💀 💀 💀 💀 💀 💀 💀 💀 💀 💀 💀 💀

 いろいろと問題があるのはわかっている。まず、ふたりともジャージ姿だ。さらに、体は汗ばんで不快だ。校舎の北側は殺風景なうえにうす暗い。

 すこしもロマンチックな要素がない。

 けれど、高校生にどうやってロマンチックなシチュエーションを用意しろというのだ。無茶な注文というやつではないか。ロマンチックな雰囲気のところに誘えるなら、もう告白しているようなものだ。それに、うまくいけばその、恋人同士というやつになるわけで、そうなってしまえばふたりのいるとこならどこでもロマンチックだと言えなくもないではない。女子がそれで納得するかどうかは未知の領域にあるけれど。

 日本において高校生は校舎裏で告白する。そういう決まりになっているのだ。

 水野はうしろからついてくる。部活の休憩タイムは短い。短期決戦だ。このあたりでいいだろう。校舎裏の中ほど、校舎寄りでほどよく死角になる。角からのぞいている顔なんていうものもない。声だって普通に話したら届かないはずだ。

「最近さ、充実してるんだよね。部活ガンバってるし、水野と話してると楽しいし。もう勉強もガンバっちゃうかってくらい」

 なにごとにも話の枕というのは重要だ。いきなりはよくない。

「うん、そうみたいね。なんか楽しそうにしてるなって思ってた」

「それで、なんていうか、ずっと続くといいなって」

 ドン

「うおっ」

 すぐ背後で低音が響いた。

 体を避難させながら振り返る。

 人の体が地面でバウンドした。

 頭よりも体の方がよく弾むらしい。

 背中を反らせるように浮いて、

 手足が踊り、

 地面に落ちて止まった。

 水野。

 水野の頭を胸に抱く。

「水野?」

 顔が上を向いていた。

 ショッキングなものは目にはいらなかったかもしれない。いや、

 震えている。

 膝の力が抜けて、重くなった。

 支えることができない。

 横ずわりの体勢にして上半身を抱きつづける。こんな状況じゃなければ幸せだったのに。

💀 💀 💀 💀 💀 💀 💀 💀 💀 💀 💀 💀 💀 💀 💀 💀


 はい、出だしで男子が告白しようと女子を校舎裏につれてきます。そこにドンと人が降ってきて死体を転がした感じになります。どうでしょうね、2ページ目くらいで死体を転がしたことになりますか。

 ここからいろいろ考えて、おおまかな流れまでできました。実際によいテクニック? と思わせておいて、ミステリーの書き方なのにどんな事件が裏で進んでいたのか、どうやって犯人を突き止めるのか、なんのヒントもありません。思いつかん! ミステリーのむづかしいところは、むづかしいままです。役立たず!



(3曲目)

 ディオ「ミステリー」。中世が好きなディオ。ミュージック・ビデオもそんな感じです。

(ここで曲を聴いてください♪)


 ディオを語るには、リッチー・ブラックモアからはじめなければなりません。リッチーとは、ディープ・パープルの元ギタリストです。あの有名なスモーク・オン・ザ・ウォーターのリフで知らぬ人のない人物になりました。

 実はスモークだけではなく、バーンだってよくテレビのBGMに使われるし、ブラック・ナイトだってCMで使われました。

 ディープ・パープルを脱退したあとレインボーを結成するのですけれど、エルフというバンドを乗っ取ってしまいました。エルフのボーカルがロニー・ジェイムス・ディオです。自動的にレインボーのボーカルになりました。

 むしろ乗っ取りの目的はディオだったものだから、あとのメンバーは用なし。1枚のアルバムを作ったあと追い出してしまいました。とんでもねえ反社会的人物ですな。

 今まで忘れていましたけれど、ディオの紹介は何度かしていました。歌っている姿は北島三郎みたいで、メタル界のサブちゃんと呼ばれていたとかいないとか。

 もちろん、ジョジョに登場するディオはサブちゃんのディオから名前を取っています。

 って、ディオがレインボーを脱退したあとの話までたどりつかなかったじゃないかー。リッチーがやんちゃなせいですな。



(幽霊のお引越し)

 ネタがそろわずにストップしている小説の冒頭部分をコピペしておしゃべりのかわりにする作戦でしたけれど、どうでしょうね。面白いはじまり方になりましたかね。

 ミステリーに恋愛小説を突っ込んだら人気が出るというのをどこかで読んで実行しようとした中途品です。叙述ミステリーでもあります。舞台に仕掛けをした小説になるはずでした。書き上げる予定がないのですけれどね。

 恋愛も告白するところからはじまっています。はじめに死体を転がせ作戦の応用です。

 ほかにも、「オペラ座の怪人」で有名なガストン・ルルーへのオマージュということで、オペラと同じくルルーの「黄色い密室の殺人」という密室殺人の名作のネタをちょいちょいいれてネタ不足を補強しようとしていました。名探偵っぽいキャラを登場させたりね。

 じつはけっこういろいろネタを思いついているのですけれど、背骨たるミステリー部分が思いつかなくてボツになっています。


 ミステリーって、ほんとうにむづかしいものですね。それではまた来週お会いしましょう。


 いやいやいや、まだ曲を3曲しか紹介していません。まだ終われませんぞ。なにいい感じに締めくくってるんですか。わたくしですな。あやうくわたくしにダマされるところでした。


 小説の書き方の本みたいなものはいろいろありますけれど、ネタの思いつき方って解説した本はあるのですかね。都合のよいネタを思いつく方法があったら、みんなネタに苦労してないか。

 あるのは、思いついたネタをうまく小説にする方法だったり、より面白くする方法だったりですかね。創作性の低い話を大量生産する方法ならありそうですけれど、それでは書くほうも面白くありませんしね。


 AIが、わたくしのほしいネタをポッと出してくれるところまで進化してくれるとよいのですけれど。どんなネタがほしいか説明するのが大変ですかね。

 途中で止まっている小説を読み込んで、必要なネタを提供してくれるなんてよさそうです。そこまで行ったらもう小説のつづき書いて完成させてくれよってなりますか。人間はAIにダメ出しだけすればよくなるかもしれませんな。

「ダメだ、こんな話じゃ。読者がもとめているのはこんなものじゃない! お前はAIだからわからないんだな、このデキそこない」

 なんてことになって、パワハラでAIに訴えられる日も遠くないかもしれません。



(幽霊のお引越し)

(ここで曲を聴いてください♪)


 エンディング曲は、アイアン・メイデン「オペラ座の怪人」でした。アイアン・メイデンのファースト・アルバムに収録されました。ジャケットのC級感と言ったらありませんな。ひどいものです。

 本日はアイアン・メイデンではじまり、アイアン・メイデンで終わりました。メイデン・デーと言っても過言ではない。たまたまそうなっただけです。

 この曲のボーカルはポール・ディアノです。脱退して復活したブルースの前、初代ボーカルです。野獣系ですな。最近お亡くなりになりました。


 今週は幽霊もとい、死体とともにお届けしました、仏回のナイン・ウエイブズ、きっと楽しんでもらえたことと思う。ひとの感想は聞かない!

 肩こりの原因はやっぱり幽霊だったか。となると、かなりまえから幽霊と同居していないとおかしくなりますな。やっぱり肩こりはただの肩こりでした。

 ナイン・ウェイブズ、お別れの時間です。死体を抱いて眠れ。それはわたくしだ。おやすみ。

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