とりま、開幕ボッチだけは避けなければ…!
「きたー!入学式!私の高校生活の幕開けだぜ」
決め顔と、決めポーズをしながら一方後ろを歩いている、親友の星来せらに話しかける。
「はいはい、何回目よこの会話、あと知り合いだと思われたくないから離れて頂戴」
「えーなんでよ、私は
「私は違うのよ、まぁ違くはないけど…」
「と、とりあえず恥ずかしいから、いちいち大きな声ではしゃがないで!!」
「はぁ〜い」
小学校からの幼馴染の星来とは、いつもこんな感じで私から一方的にダル絡みをしている。
でもさ、満更でもなさそうなんだよね星来。
星来はとても美人で、私とは大違い。
腰まで伸びた長ーい後ろ髪に、スラッとしたスタイル、キリッとした目に〜オマケに勉強ができると来た。
私なんか、100均で買ったシュシュをテキトーにつけてポニーテールにしただけだし、顔は特別かわいい訳では無いし、最近ちょっとお腹がぷよぷよしてきた。
星来を見てると、すごい情けなくなってくる。
「はぁぁ〜いいなぁせらっちはさ!かわいいし勉強できるし、きっとモテモテだよね」
「茜だってかわいいわよ…」
ちょっとうつむきながら言う。
可愛ぃぃぃ!めちゃ可愛い!ぎゅーしたい!
「恥かしがってぇ!」
「ちょ、ちょっと!こ、こらやめなさぁぁい!」
そんな、下らない会話をしていながら歩いていると、校門前についた。
そこには、スーツを着た男性教員と、入学式と書かれた看板が立っている。
「うひょー広!私達ここに通うんだよ!!」
ぴょんぴょん飛び跳ねながら、星来に言う。
「そうね、受験頑張った甲斐があったわ」
「んねー!」
私達が入学する高校は、県1.2を争う進学校である。
なんで私が受かったかと言うと、受験期間中つきっきりで星来に教えてくれたからってのが一番大きい。
ちなみに、星来は頭が良いので私に付き合っていても余裕で受かった。
星来は、首席じゃなかった事に悔しがっていたが、よくわからない。
まぁ私は、多分最下位じゃないと思う…多分…え?私最下位じゃないよね!?。
そんなこんなで、体育館に案内された。
そして5分くらい経ったあと、入学式が始まった。
校長の話、市長の話、んーあとなんだっけ聞いてなかった、てへぺろ。
入学式が始まると、各々が教室に向かい始めた。
体育館前に、クラス分けの紙が貼られていたので確認しに行く。
見てみると、1年2組の下に私、
「私、1年2組だって、せらっちも同じクラスー!開幕ボッチは避けられたぁ」
「中1以来ね、同じクラスになるの」
「そうだねー」
教室に入ると、中には生徒たちが雑談をしていた。
自己紹介をしてる人もいれば、おそらく中学生からの友人と話したりと、各々が色々なことをしている。
私達に気がつくと、男子数名が近づいてくる。
おそらくというか、確定で星来目的に違いない。
追い払わねば!!。
謎の使命感に駆られ追い払う。
「はいはい、邪魔だからどいてね!しっしっ」
「あ、すいませんすいません!うちの茜がぁ!」
星来は顔を赤らめながらペコペコ頭を下げながらついてくる。
自分の席の前に行くと、ガタイの良い同じ高1だと思えないような少し肌が焼けていて、丸刈りな男子生徒が座っている。
隣の星来の席にも、その男子生徒と喋ってる、白髪のいかにもお嬢様という雰囲気の女子が座っていて、座れない状況だった。
「へいへい、兄ちゃん達よぉここ私達の席だからどいてくんね?」
こういうのに憧れてたんだよ!私。
隣の星来は、私にドン引きしていた。
「はあ?何いってんだよここは俺らの席だぜ?」
うんうんと頷く女子生徒。
「あ、茜…その……」
星来が私の袖の裾をくいくいしてくる。
はぁ、全くこの子は。
「いい?星来?こういう奴らはガツンと言わないとわからないの」
「違うわよ!私達の席はもう一列後ろ!!!」
「へ?」
「だから、この人たちは間違えてなくて、茜がただ突っかかったやばいやつってこと!」
確かに、座席表をよく見ると一列後ろだった。
「すみません!すみません!」
星来は私の頭をがっしり掴むと、無理やり頭を下げさせペコペコ謝っている。
「あ、ああ別にいいよな?勘違いは誰にでもあるし…」
男子生徒は星来と私を見ると、オロオロしだし話していた女子生徒の方に向き言う。
「そ、そうですわよ、私だって勘違いなんてしょっちゅうしますもの!」
「それより、これも何かの縁だ、自己紹介しようぜ」
男子生徒が提案してくる。
「いいわね!あなた方面白そうですし」
女子生徒も賛成した。
「じゃあ私から、如月茜ですよろしく!さっきはホントにすんません」
「私は、水無月星来です、よ、よろしくお願いします」
それじゃあ、と女子生徒が話し始める。
「私の名前は、
「こっちの男子は、
「ちょ、クリスやめてくれって」
ゴリ助は、おどおどしている。
「よろしく、ゴリ助、ベル」
「よろしくお願いします」
「ゴリ助はやめてほしいかも……」
なんか言っているが気にしない。
だってゴリ助っていいじゃん、かわいい。
私と、星来は二人に向けて手を差し出す。
二人は、少し恥ずかしそうに私達と握手をした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます