5話 無力

最後の検査が終わり、家に帰ると大事な話があるとお父さんに言われた。

お父さんから言われた言葉に私は、驚きが隠せなかった。

お前はこれから男の子と二人で暮らしてもらう。

声も出なかった。

自分のしたいことで楽しく豊かに暮らせると思っていた。

ちょっと待ってよ。お父さん。

私したいこといっぱいあるの。

ダメだ。これはもう決まっていることだ。

決まっているって、お父さんが勝手に決めたことでしょ。

ねぇお母さん。お父さんを説得してよ。

今回だけは、お父さんのことを聞いて。

生まれてきた時からそう決まっていたの。

私たちも自由にさしてあげたいけどできないのよ。

私たちは病気を治す医療費を免除する代わりに政府が出した条件を呑むと。

お父さんも仕方ないのよ。

そんなぁ。

涙が止まらない。

自由になりたかった。

普通の人のように普通の生活がしたかった。

誰も責められない。

この気持ちはどこに吐き出したらいいの。

あーもういっそのこと死んでしまいたい。

そっとしておきましょ。

ああ。

最後に大好きなオムライス作ってあげるから。

うぅ…

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信臓 チンチラ @umatosika

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