4話 ”1000年に一度”

バン

お疲れ様です。

学はどこにいる?

実験室315に。

分かった。

トコトコ。

ガチャ。

お疲れ様です。事務局長。

よくやったぞ。学よ。

いいえ。私ではございません。

こちらの正志(まさし)でございます。

正志か。聞いているぞ。

とても優秀な学者だと。

科学界のありとあらゆる賞をかっさらった天才。

“1000年に1度の天才科学者”と呼ばれているあの正志だろ。

大変恐縮です。そんなに立派なものではございません。

しかし、正志がこの計画に加わってくれて助かった。

最初はダメもとで頼んでいたがまさか一回目のオファーで受けてくれると思わなかった。

学様の熱弁に感激致しまして少しでも役に立てればと。

よくやったぞ。学。

さすが俺の相棒だ。

じゃあ、成功品を見してくれ。

はい。

では、3140室に移動しましょう。

ガチャ。

学からの電話を切った後からそわそわしていた。

楽しみで仕方ない。

トコトコ。

私の集大成となる作品です。

これまでの経験と科学力を出し切りました。

トコトコ。

期待できるではないか。

ピ。ウィーン。

はい。お任せください。

最高傑作です。

チーン。

これで世界は変わる!

トコトコ。ガチャ。

では、ご覧ください。

ピ.ピ.ピ.

ウィーン。シュー。

これか!

はい。こちらになります。

何と美しい。

こんなものが人に作れるとは。

感激だ。

これから、これを使って実用化し実験をします。

何年かかる予定だ。

2~3年で終わる予定です。

ではそれまで精進したまえ。

はい。必ずや成功させて見せます。

この計画が成功したあかつきには、お前の地位は高くしてやろう。

......

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