予期せぬ再開〜Case.T〜
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PN:アラヤ
Lv.18
所持金:80ガル
レンジ:クロス
ポジション:ガンナー
クラス:タンク
HP(生命力):60
MP(魔力):50
STR(筋力):20
VIT(耐久):30
INT(知性):10
MIN(精神):30
AGI(敏捷):20
DEX(器用):80
LUC(幸運):15
アビリティ
・スプレッドショット++
・パワーガード+
・クイックリロード++
・プロヴォーク
・パリィ
・リベンジガード
・クロスブラスト
装備
メイン:シェルブレイカー
サブ:タワーシールド/無銘の散弾銃
頭:-
胴:支給隊服(上)
腕:革の手袋
腰:支給隊服(下)
脚:戦闘ブーツ
アクセサリ:-
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凄えな、本物のアンノウン。
数体倒しただけで一気にレベルが倍以上になったぞ。
マンティピオンを撃破した後、ハーリスタスやランページジャガーといった他のアンノウンとも戦ってみた。
いずれもシミュレーションで戦った奴よりもかなりHPが多かったけど、その分獲得経験値も高く設定されていたようだ。
一時間程度でこんだけレベルが上がるんだったら、これからもレベリングするんだったらここに訪れるのが正解なんじゃないか?
効率は知らんが大量に経験値を手に入れられるし、普通のフィールドのモンスターを相手にするよりもずっと戦い甲斐があるし、魔晶やドロップアイテムを売り払うことで金策にもなる。
その度に徒歩でここまで足を運んで、百メートル近くある断崖を降りなきゃならないのは面倒だが、帰りはファストトラベルで——、
「……って、<未開領域>の中だとファストトラベルできないのか」
本来ならマップ上にあるランドマークのアイコンをタップすればファストトラベルするかどうかのポップアップが現れるのだが、ここだとそのランドマークに関する情報しか表示されない。
ということは、帰りは高さ百メートルのロッククライミングをしないとならないといけないわけか。
「これを素登りはなかなかにキツいな……」
でも要塞を通ろうものなら、不法侵入していることがバレて捕まってしまう。
魔晶と素材集めを諦めるのならそれでいいかもしれないが、経験値目的だけでここに来るのはちょっと勿体無さ過ぎる。
バイキングで主食類だけ食って帰るようなもんだ。
別にそのやり方そのものを否定するつもりはないが、それだったらもっと楽で効率的なやり方を探した方が良い。
「それに……喧嘩売る相手を間違えたら、マジで一貫の終わりだからなあ」
さっきまで戦った奴らは、カーストでいえば最底辺だ。
荒野の中心方向に視線をやりながら切実にそう思う。
エリアの端にいるのは新人訓練で戦ったことのある奴が大半だが、少し奥に進めば訓練では見たことのないモンスターが確認できた。
十五トントラックを優に上回るレベルで馬鹿デカイノシシに、それすらも小さく思えるほどの背中にブレードのような突起が生えたブラキオサウルスみたいな奴。
そのブラキオサウルスもどきよりもずっとずっと巨大なミミズ。
超巨大ミミズがいたのはかなり遠くだったから目測にはなるが、もしかしたら一キロメートルを越してたんんじゃないか?
あそこまで巨大だと最早、動く災害って表現の方が合ってる気がする。
もし遭遇して轢かれたとしても事故だと割り切った方がいいな。
そいつらと比べると、フィースウーズなんてただの群れをなすスライムだ。
だから、もし本気で<未開領域>の奥に向かうのであれば、ここら辺のアンノウンはスライムとかゴブリンを倒す感覚で撃破できるようにならないと話にならないと思われる。
「……あー、あんなのもいたなあ」
ふと視界に入ったのは、四本腕の獣人型アンノウンだ。
獅子の面をした頭部と真紅の
大猿……いや、ゴリラみたいな体格と鈍色の体表。
例に漏れずアイツもかなり巨大で、パッと見でも全長が十メートル以上もある。
今のレベルで戦おうものなら、ほぼ確実に負けるだろう。
プレイヤースキルだけではどうにもならない程には、スペックに差が開いている可能性が非常に高い。
触らぬ神に祟りなし。
ああいう手合いは、どこかにいなくなるまで適当にやり過ごす……って、ん?
「プレイヤー追いかけられてね?」
目を凝らしてよくよく観察してみれば、水色髪の少女プレイヤーが獣人型アンノウンから必死に逃げ回っているのが確認できる。
両手に抱えているのはマシンガン……ってことは、ガンナーか。
「……ああ、なんだティアを思い出すな」
アイツもマシンガンをメイン武器にしてたし、髪の色も水色だった。
「うわあああん、ちょっかいかけてごめんってー!! もうしないから見逃してえええっ!!」
そうそう、こんな感じのことも叫んでるイメージあるわー。
そんで謝りながらも隙があればマシンガンぶっ放して……おい、ちょっと待て。
——まさか、マジなのか……!?
聞き覚えのある声……よく見れば、服装が俺と一緒だ。
少女が装備しているのは、支給隊服——つまり、俺と同じく昨日からゲームを始めたばかりの新規勢であることを示している。
なんであのプレイヤーが<未開領域>にいるのかはどうでもいい。
重要なのは、アイツが俺と同じ選択をしたということだ。
初めて二日目でこんな場所に足を運ぶ物好きはそういないはず。
そして、思考に気を取られているうちに——少女と目が合う。
大分距離があったのにも関わらず、お互いの顔とプレイヤーネームがはっきりと視認できる。
途端、予想が確証に変わり、少女の瞳がパァっと輝いた。
それからあどけなさの残る満面の笑みを咲かせ、ぶんぶんと大手を振りながらこちらに駆け寄ってくる。
——背後に獣人型アンノウンを連れて。
「おーい、アラヤー!! ひっさしぶりー!! 再会早々で悪いけど……あのライオンくんから逃げるの手伝ってえええっ!!!」
「ざっけんなあああっ!!! 俺を戦闘に巻き込むんじゃねえ!!!」
これが、かつての悪友その一との世界を隔てた一ヶ月ぶりの再会だった。
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主人公が見かけた巨大ミミズを始めとした一部アンノウンは、未だ討伐報告が上がっていないようです。
色々原因はありますが、最大の原因としてはひとえに現時点で最大のレベルに上げてもステータスが足りてないのが原因みたいです。
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