第4話 時間短縮アイテムは使わない

(マイページに戻った主人公を労う)


「冒険お疲れ様~」


「修繕が必要な子がいるよぉ~」


(主人公が修繕するボタンをタップする)


「修繕させたい子を選んでねぇ~」


(重傷になったフェールを選択する)


「時間短縮アイテムは使わないのぉ~?」(使うつもりがない主人公を可愛く催促して、使わせようとする)


「ゆっくり待っててくれるなんて、マスターは優しいねぇ~」(使わない主人公を温かく肯定する)


「修繕開始しちゃうよぉ~」


(ふかふかのクッションに頭を載せ、まったりする)


「ふ~。使いすぎた魔力が、少しずつ戻って来てるのを感じるよぉ~。早く回復して、マスターと冒険に行きたいなぁ~」(気持ちよさそうに目を閉じる)


「マスターも今日は疲れた? フェールとお揃いだねぇ~」


「もう遅い時間だから、マスターも一緒に寝ちゃう?」(両手を広げる)


(主人公に断られる)


「寝相悪くないもんねぇ~。マスターを枕と間違えて、すりすりしちゃうかもしれないけどぉ~」(不服そうな顔をする)


「マスターこそ、偉そうにして人のこと言えるのぉ~? ずっと言わないでおこうと思ってたけど。この間も横で寝てたときのいびきが酷くて、途中で起きちゃったんだよぉ~」


「本当だってば。マスターの鼻をつまもうか、真剣に悩んだんだからぁ~」


「今日はあんまり疲れてないからへーき? そう言って、フェールより先に寝ちゃうんじゃな~い?」(疑いの目を向ける)


「まだやり残したことがあるの? 仕事熱心なのはいいけど、無理しないでよぉ~」


「それじゃ、また六時間後に会おうねぇ~」(あくび混じりの声)


「おやすみなさ~い」


(フェールの寝息が続く。主人公がフェールの髪に触れる)


「ん~。マスター、もう食べらんないからぁ~。お腹、刺激しちゃやだぁ~」(うなされる)


「お腹、押さないでぇ~」(嫌そうに言うが、主人公は何もしていない)


(変な寝言だと主人公に言われる)


「ううん。寝言じゃないもん」(うとうとしながら返事をする)


「ちゃんと起きてるよぉ~」(寝言)


(主人公につつかれる)


「起きてる……もん」(眠気に負けながら答える)


(寝息が続く)


(六時間後、スマホアプリの通知が鳴る)


「修繕が終わったよぉ~」


(主人公がゲームにログインする)


「ふあぁ。よく寝てた~~」(伸びをする)


「おはよう、マスター。起こさずに待っててくれてたぁ~? フェールの顔にいたずらしてない?」


「起きたらすぐマスターに会えて、幸せだなぁ~」


(主人公は強化のボタンを選択する)


「精霊を強化するの?」


(主人公はフェールを選択する)


「ふしゅう。やっと終わったよぉ~。いくらフェールがアイロンがけの名人だからって、みんな任せすぎじゃな~い?」


「あっ。マスター、聞いてた?」(焦る)


「手に持ってるの、どーして隠すのぉ? 別に一枚くらいへーきだしっ! フェールは疲れてないよ。アップリケをつけてあげたハンカチ、使ってもらえてて元気出たから」


(主人公は着せ替えのボタンをタップする)


「衣装チェンジ、する?」


「これ、ショップに入荷されてた着せ替えだぁ~! いつの間に用意してくれていたのぉ~?」


「早く着たいなぁ~。マスターが着替えさせてくれる?」


(思わぬ頼みに主人公が戸惑う)


「だって、どうやって着たらいいのか分からないんだもん。複雑なデザインだし、背中のリボンがうまく結べそうにないよぉ~」


「手伝ってよ。マスター」(必死に懇願する)


「どこから足を通せばいいのか、正しい向きに置いてほしい」


「よかったぁ。マスターなら手伝ってくれると思ってたよぉ~」(ほっと息をつく)


「後ろ向くから、背中のリボン結ぶの手伝ってくれる?」


「早く、早く~」


「一人じゃ絶対に着れそうにないから、マスターがいて助かったよぉ~」


「リボン全部結べた~?」(鏡の前に立ち、身をよじって確認する)


「綺麗に結べてる~! マスター、ありがと~」


(マスターに近づく)


「じゃーん! どうかなっ? ちゃんと似合ってる?」(感想をにこにこしながら待つ)


「いつもはショート丈のボトムスを履いているからねぇ~。脚が隠れるのは新鮮じゃない?」


「その代わり」(くるっと回る)


「背中はほとんど見えてるかもねぇ~。編み上げたリボンの間から、素肌が見えるデザインになってなかった? リボンを結んでくれるとき、ドキドキしちゃってたでしょ~?」(マスターの反応を楽しむ)


「こんなに素敵なイブニングドレスを着せてもらったから、晩餐会も緊張せずに済みそうだよ~」


「マスター、エスコートしてもらっていい?」(勇気を出して訊く)


「もし、先約がなかったら……だけど」(ほかの精霊から誘われていないか不安になっている)


「よかったぁ~。マスターの腕が空いてて」


「腕を組む訳じゃないのぉ~? 手を握るだけでいいんだぁ~」(主人公に指摘され、残念がる)


「マスターの腕。安心する~」(腕を組んでもらえて嬉しがる)


「ドレスの裾、踏まないようにしてよぉ~?」


「マスターが踏んで、フェールがよろけちゃっても、ちゃんと受け止めてよねぇ~」

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