第6話

「それじゃあおふろにはいりましょう!」


「うん。うん?リルちゃんも入るの?」


「はい!」


とっても良いお返事だ。リルちゃんの方を見ると、いつ脱いだのか全裸だったのだ。あれ?俺を洗うんじゃ?まぁ別にいい、のか?


俺にロリ属性はない。年上の包容力がある綺麗なお姉様がどストライクなのだ。つるぺったんでは食指は動かない。とはいえロリっ子と入るのは何と言うか、警察に通報されたら終わるので、怖いんだが。まぁ、今の俺は女だから問題ないけどさ。


そうして風呂場に入ると


「おせなか、ながします!」


「ありがとう。ふぅ、3日ぶりだ」


二徹して、風呂に入る時間もなくて、そのままだったが、流石に気持ち悪かったのだ。身体をリルちゃんが洗ってくれている。なんか力強い気がしたが、気持ちいいので良し。あ〜いい。凄く良い。


「んっしょ、んっしょ」


「洗うの上手だねリルちゃん」


「ありがとうございます!せーいっぱい、ごほーししますね!」


何処で覚えたんだ、そんな言葉。しかし、ご奉仕か。アルバート様の言葉の意味を考えてみる。1日1回は抱きしめろ。そう言った。この抱きしめるがそのままなの意味なのか、それとも、同人誌的な『夜のご奉仕』なのか。それによってこの先の展開が大きく変わる。


前者だった場合この行為に何の意味があるのか。ただ抱きしめるだけなのか。どれぐらいの時間をどのぐらいの力ですればいいのか。考えた所で分かりはしない。


後者だった場合は、どうしようかな。生憎童貞だった俺だ。そう言った経験は皆無だ。ネットでいくらでもそういうものは出てくるだろうが、女になって魔王に奉仕する立場になる動画はあるのかな?漫画なら普通にありそうだが。というかこの世界スマホ使えるのか?童貞よりも処女を失うことになるが、それでいいのかどうか。少なくとも、前上司相手にするよりはまだマシだ。じゃあアルバート様はというと、まだよく分からないというのが本音だ。


「(まぁ、なるようにしかならんわな)」


考えても分からない。なら、後は流れに身を任せるか。


「あぁ~。生き返る〜。あぁ~」

湯船に浸かりながら、手足をリラックスさせる。ちょうどいい温度だ。入浴剤なのだろうか、薄紅色に染まった湯は薔薇に近い香りが漂い、心身ともに落ち着かせていく。めっちゃ気持ちいいわ〜。


「100かぞえないとでちゃダメですよ」


「は〜い」


「いーち、にー、さーん、しー、…」


リルちゃんが、100秒数えている。妹、もしくは娘がいたらこんな感じかな。何だかホッコリしながら一緒に数を数えた。


◆◇◆

「上がったか」


「はい」


風呂上がり。俺は再びアルバート様の部屋の前まで来ていた。アルバート様はさっきと変わらず扉の前に居た。もしかして、ずっと待っててくれたんだろうか。そうすると30分ぐらい待たせてしまったかな。


「さっきボクが言った言葉は覚えているな」


「1日1回はアルバート様を抱きしめる、ですね」


「そうだ。詳しい話は中でしよう。入ってくれ」


「分かりました」


そうしてアルバート様の部屋に入る事になった。さて、どうなることやら。





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