第3話

走っていると思い出した。俺は一年ぶりの外出だ。いやもしかすると外出した気になれたのは、5年ぶりぐらいかもしれない。

「久しぶりのおそと!」

ようやく外に出れた。このまま突き抜けちゃえ!突き抜けて突き抜けて、昔できなかった自分だけのおたのしみスポットを見つけるんだ!

風のように光のようにビックバンが起きたときの衝撃のように!

そのまま全力でこぎながらはるか彼方へ一直線!というわけにはいかなかった。

馬鹿みたいに全力で走ったせいで、なにかに衝突した。

「グギャハァァァ!」

思いっきり吹っ飛ぶ。普通だったら死ぬくらい。回転しながら壁に叩きつけられる。いてぇ! いてぇ! とめちゃくちゃ痛がる。ですんだ。

「おいおい。いくら馬鹿だからって 痛覚までばかかになるのかよ! なんなら気持ちいいまであるのだが!」

そう言い放ち起き上がり、ぶつかったものを見る。ん?

倒れていたのは人だった。ショートヘアの少女だった。俺は、急いで駆けつける。

「だ、だいじょうぶか!? すまん。つい注意力不足で、、、」

「だ、だいじょうぶ! 、、、複雑骨折ですんだみたい!」

「、、、なんか、ごめん」

骨折しながら立ち上がる少女。あきらなかに無事じゃないがとてつもなく笑顔だ。申し訳無さで半端ない。

「骨折記念で名前教えるね! 私はハル!よろしくね!」

「よ、よろしく。そしてごめん」

「君はの名前おしえて!」

「、、、おれは、ヒロ、」

「ヒロね! じゃあまた! 」

そして自転車に戻り、走り出した。

何だっのだろう。とても痛くて申しわけなかった。でも、なんだかまたあえてよかった。

心が広がることを感じながら、また前へ進む。


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