第2話
目を覚ますと、そこにあったのはいつもと変わらない世界?だった。
いつもの風景、いつもの木造住宅、いつもの狭い家。週に一回は小指をぶつけ、歩くだけできしむうるさく痛い家。いつまでも慣れなかった。たげど、ん? なぜだろう。不思議と心地いい。狭いけど狭くないような、安心感がある。
「今日は調子がいいのかな」
そう思いウキウキしながら自分の部屋を出る。いつもどおり降りづらい階段をおりる。、、、いつもと同じなのに、なんだこのワクワクは。降りたら何かあるのかな。きっと暖かくて優しい家族が待っているのだろう。なんだろう、子供の時みたいだ。そして降りてみると。ん?
そこに待っていたのは、、、母さんじゃない!?
母さんなようで母さんではない。落着いた格好で落着いた髪型で、控えめで優しそうな雰囲気。誰?
それだけじゃない。
お父さんもだ。頼りがいがありそうで男らしく男らしすぎないちょうどいい雰囲気。声をかけたくなるような感じ。誰?
まじで誰だ。そもそも顔が違う。
違う家に来ちゃったのかな?
おどおどしていると、それどころじゃないことに気づく。
「あ!やることしなきゃ!」
唐突に動き出したくなり、身支度をして外に出る。
外に出てみると、まず気づいたこと、 空気が美味しい! なんというか森の空気の良さとは違う、体があったまるような風に吹かれている感じ。
そしてすでに動き出してる!
こだわりのかっちょいい自転車にのり、ベルをブンブン鳴らしながら走り出す。行き先は、太陽の向こう側だ!!
ていう感じで走り出しだす。完全に馬鹿だが、恥ずかしくない。そしてなんなら馬鹿であることに誇りを持っている。「なんだ、ただの理想の世界か」
そうつぶやき、少し涙ぐみながらとりあえず前に進んだ。
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