僕のことが忘れられない七人の美少女たち

月城レン

プロローグ

 春空の下、高校一年生となった僕の前にひとりの美少女が現れた。

 

 「あの、少しよろしいでしょうか」


 可憐で華やか、品があり、守りたくなるような、か弱さ。だが、僕はこの子を知っている。


 「うん、いいよ」

 

 この子の名前は、白井しらい小陽こはる

 前世では、騎士団長の僕の部下で側近だった。何故かは知らないが、白井さんも前世の記憶があって僕を慕っている。

 その他にも前世の記憶を持つ僕の部下がいると聞いているが、今年の春に同じ学校に集まったらしく、近々集会を開く予定だ。

 それより、白井さんの忠誠心の強さ。本当に感服する。

 

 「浩輔こうすけさん、入学おめでとう御座います。これから同じ学び舎で学べると思うと嬉しくて堪りません」

 「僕もだよ。白井さん」


 白井さんとは、中学生の時から付き合いがある。そのせいか、決まって僕の前に現れ甘えてくる。彼女……ではないが、いつも同じ時を過ごしている当たり、僕から離れたくないのだろう。


 「あっ、鈴原さん!」

 

 物静かな彼女の名前は、鈴原すずはら響子きょうこ。前世では隠密で情報収集などを行っていた。

 今は白井さんの良きライバル(?)らしい。


 「高木さん。それと、白井さん、おめでとう御座います」

 「おめでとう。鈴原さん」


 他の子は親が迎えに来たらしく、先に帰ってしまった。まあ、入学初日はそんな感じだろう。


 「浩輔さん」

 「何?」

 「入学祝いというわけではないのですが、これからカフェに行きませんか?」

 「あー、三人で話したいってこと? 僕は良いよ」

 

 鈴原さんが考え込んでいる。

 入学初日にはしゃいで問題を起こしたくないのだろう。考え込むのは無理もない。


 「……いいでしょう。お供します」

 「では、いきましょう」


 これから始まる高校生活。何が起こるか分からない。けど、楽しい学校生活になること間違いなしだ。


 「高木さん?」

 「あっ、ごめん。行こう」


 僕は澄み切った青空の下をのんびりと歩き、カフェに繰り出した。

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僕のことが忘れられない七人の美少女たち 月城レン @tukisiro_ren

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