27 鉱物
朝ご飯まで食べさせて貰って、僕達は正人さんの家を後にすることになった。鎌鼬の三兄弟は、もうちょっと虎郎君と話したいから正人さんのお家に残るそうだ。
僕はみちるさんを鞄に入れて両手で抱える。お礼を言い合ったりしていると、虎郎君がにこにこ笑いながら前に出てきた。
「あのね、ぼくの体、ここまで連れてきてくれてありがとう。久し振りに元に戻れて良かったよー」
「ぬひひ、良かったねー」
にこにこと笑いながらみちるさんが返事をする。
「ぼく、お礼に渡せるもの、あんまりないんだけど」
そんなことを言いながら、虎郎君が差し出してくれたのは、小さな石だった。白っぽいものの中に、僅かに緑色の線が見える。
「宝石かもしれないし、そうじゃないかもしれないけど、きれいだからあげる」
「翡翠、っぽいけど、違うかもしれない」
正人さんが石をじっと見つめてそんなことを言い、僕は虎郎君の手から、翡翠かもしれないその石を受け取った。
「加工してみちるさんの髪飾りにしようか」
「ぬふふ、そうだねー。ありがと、ころくん」
みちるさんにストールを被せて袋の口をゆるく閉じる。
遊びに来てねとか遊びに行くねとか、そういう言葉に見送られて、僕達は帰途についた。
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