普通になりたい
普通になりたい
作者 結城 絵奈
https://kakuyomu.jp/works/16818093083489206157
クラスのみんなと違うと感じ、普通になりたいと考えている女子高生のきららは、友人のみね子の言葉に救われ、周りのみんなと同じように振る舞うことが正しい考えが、いつか変わることを期待し、自由に生きようと夢見る話。
現代ドラマ。
いまの高校生のリアルを感じさせる。
日常の細かな描写やユーモアもあって、読みやすい。
主人公は女子高生のきらら。一人称、私で書かれた文体。自分語りの実況中継で綴られている。現在、過去、未来の順に書かれている。
それぞれの人物の想いを知りながら結ばれない状況にもどかしさを感じることで共感するタイプの中心軌道に沿って書かれている。
三幕八場の構成になっている。
一幕一場の状況の説明、はじまり
主人公のきららは、高校時代の自分と現在の自分が異なるキャラクターであることを語り始める。彼女は「普通になりたい」と感じることがあり、普通とは何かを考える。普通とは、一般的に好ましいとされるものを周囲と同じように好むことや常識に従うこと、時に普遍的な見解に従わない者を排除することの総称としている。
二場の目的の説明
ある日、きららは遅刻しそうになりながら学校に駆け込む。教室に入ると、クラスメイト全員が彼女を見つめており、彼女は自分がダサいと思われているのではないかと感じるもクラスメイトたちの笑顔に救われ、楽しい時間を過ごす。
きららは、周囲のクラスメイトたちが「正しい高校生」として振る舞っていると感じ、自分がその基準に達していないことに悩む。彼女はトイレで髪を整えながら、親友のみね子と話す。みね子はおしゃれ好きで、異なる価値観を持っているが、みね子との友情に救われている。
二幕三場の最初の課題、
休み時間、みね子がまりなと、カーディガンのブランドの話をする。他の休み時間では、学校貸与のタブレットで、それぞれの家を3D地図で検索して盛り上がる。きららは次第に、みね子との違いを感じるようになり、みね子が他の友達と楽しそうに話す姿に嫉妬を覚える。彼女は自分が普通じゃないと感じ、周囲との違いに苦しんでいく。
四場の重い課題、
ある日曜日、きららは友達のみね子、まりな、れんな、あゆと五人でショッピングモールに行く約束をし、集合場所に遅れてしまう。
明るく染めた髪、くるくる巻いた髪、垢抜けた服装、やたらキラキラした匂い、人形みたいに塗り固めた顔面の友達と一緒に歩いていると、きららは自分だけが地味な格好をしていることに気づき、恥ずかしさを感じる。彼女は友達との違いに悩みながらも、普通になりたいと願い続けていく。
五場の状況の再整備、転換点、
主人公のきららは、友達と一緒にショッピングモールを訪れるが、彼女たちの容姿や会話から、彼女は自分が周りと違うと感じ、孤独感と疎外感に苛まれています。友達が楽しそうに洋服をみて楽しむ中、きららはどうして、みんな同じ感性をもっているのだろうと思い、居場所がないように感じる。みね子がハンドバッグを見つけ、他の子達も楽しそうにしているのを見て、自分がその輪に入れないことに悔しさを感じる。
六場の最大の課題
フードコートでの食事で、食べようとするとまりなに制止される。
「きららちょっと待って。食べる前に写真撮ってもいい?」
友達が食べ物の写真を撮るのを見て、理解できないと感じます。
プリクラを撮る提案が出たとき、きららは自分の顔が加工されて友達の記憶に残ることに強い抵抗を感じ、どうしてみんなと普通に遊ぶことができないのかと悩み、自分は失敗作だと思ってお腹が痛いと嘘をついてその場を離れる。友達に心配されながらも一人で帰っていった。
三幕七場の最後の課題、ドンデン返し
翌日、みね子に合わせる顔がないと感じながらも、学校に向かう。
普通の高校生になりたかった、普通のかわいい女の子になりたかった。何の抵抗もなく、好んで化粧とかできちゃうキラキラした普通のかわいい女の子になりたかった。けれどそうしてこなかったのは、本当は普通になりたいだなんて微塵も思っていないからだ。「それでも私は私らしく生きるんだ!」とか貫き通す勇気がないから、こうやって中途半端なことしてうじうじしているんだと自身に問いかける。
小学生が定期を落としたのを拾い、差し出す。精一杯の微笑み返すと、「きららってそんな顔するんだ?」とみね子に声をかけられる。
八場の結末、エピローグ
一緒に学校に向かうみね子に、「なんかきららってさあ、色んな表情するからかわいいよね。笑ったり怒ったり、不機嫌な顔したり、嬉しそうにしたりさ。喜怒哀楽がはっきりしてるっていうか。いいなあ」と言われる。
バカにしてるのかと聴けば、「してないよー。私はさぁ、いつも愛想笑いで何考えてるかわかんないとかよく言われるしさ……。まーとにかく、きららがかわいいって話!」と褒められ、彼女の言葉に救われる。
みんなが同じような人間に見えて嫌でたまらなかったけれど、そうではなかった。みんなそれぞれ自分にしかないものがきっとある。周りのみんなと同じように振る舞うことが正しいように感じるが、いつかそれが変わることを期待し、それまでは中途半端な自分でいるのもありかもしれない。
友達と一緒にいる時間が一番嬉しいと感じ、いまはなんとかなる気がしながら、狭い世界を飛び出して人の目を気にせず自由に生きる日を夢見るのだった。
自分はおかしい、普通になりたいと考える謎と、主人公に起こる様々な出来事の謎が、どう関わり、どんな結末に至るか気になる。
主人公の問いかけによる書き出し。
遠景で、客観的視点で読者に問いかけ、近景で普通とはなにかを尋ね、心情で一般論を語る。
普通でいなさいと言われたことがある読者は、共感を抱くだろう。
言われたことがなくても、「好ましいとされるものを周囲と同じように好むことや常識に従うこと」を見聞きしたり、体験したことがある人も共感していくだろう。
本編は主人公の主観で書かれている。
遠景で、「遅刻遅刻地獄〜!!」となにやら穏やかではない、それでいてユニークなことを言っている。近景ではチャイムが鳴り、心情で「走れども、鐘が鳴るなり、我が学び舎」と一句読み上げる。字余りで季語がないのがおしい。
主人公のお茶目でおかしく、面白い性格が現れているが、とにかく遅刻しながら教室へと滑り込んでいく様子に、梅雨明け前でセミが鳴いてしかも暑い中を全力疾走、しかも怪談を駆け上がっているとは可哀想だなあと共感していく。
教室は冷房が聞いていて、涼しい。
対比がいい。
そして、遅刻。
「いやいや、まだ鳴ってますって! 私には聞こえますよぉ〜」
「はいはい遅刻な」
「そ、そんなぁ〜!」
クラス中が笑いに包まれ、自分の言葉でみんなが楽しそうに笑ってくれるのを見るのが何より嬉しいが、「最近ずっと感じている痛みなんてどうでもよくなってしまう」となにか悩みを抱えているのがわかる。
先生の「高校生らしく」に反応している。
「だいたいこの世界というのは何かと高校生を特別視しすぎていると思うのだ。放送されているアニメはほぼ例外なく主人公が高校生だし、ネットには高校生限定のナントカとかいう言葉が飛び交っている。高校生というのはただの年齢区分であるのに、どうして他の世代とは違う特別な生き物として扱われてしまうのだろう。それが気に食わない私はやはりおかしいのだろうか。高校生らしくないのだろうか」
実感がこもっていて、いいたいところはここだろう。
読者層の十代の若者も、「確かに」と頷いてくれるに違いない。
主人公のいうとおり、以前はなかったのに、「〇〇甲子園」と名付けられた、高校生のみが参加する大会が増えた気がする。おまけに、視聴率統計をみると十代が一番アニメを見ていないのに、高校生を主人公にした作品が多く作られている。よく見ているのは三、四十代らしい。
アニメは子供が見るもので、主人公の年齢も小学生が中心、中学生くらいまでだったのに。アニメや原作マンガの長寿化や年齢区分による人口比率から、子供よりも大人がよく見る時代。
だったら大人を主人公にしたものをたくさん作ればいいはずだけど、大学生や大人の世界には現実の厳しさが強くて夢がないのだろう。
そもそもアニメや漫画を好んで見て楽しんでいるのは、少年少女の心をいまも持っている大人であり、彼女彼らにとっても青春は高校生時代にあると思われているからだと推測する。
主人公は、みんながいう高校生に疑問を持っている。
こういうところも、強くいいたいのだろう。
「勉強も部活もバイトも一生懸命がんばって、友達と遊んだりライブ行ったり好きなことしてキラキラした毎日を送る。それが大人たちにはとにかく自由で楽しそうに見えるらしい」
高校生が楽しそうに見えるのは、高校生自身がSNSなどで見せているのも、一つの要因と考える。
過ぎて行くときは止まらず、可逆性もない。だから、大人になったら老いていくばかりで、責任と労働と増税に苦しんでいる。そんな状況にある大人自身と、楽しそうにしている高校生を比較し、高校生向けの様々な特典、割引があり、若さもあって夢も希望もチャンスもあるといったメリット部分に目を向けて、羨ましく思うのだと考える。現代の高校生には高校生の苦労があるのだけれども、そうしたデメリットは知らないので、見えてこないのだ。
こうしたことは、他人と比較する必要はないのに比較してしまう人が陥りやすい考え方である。
「勉強ばかりしているクソ真面目とか、極端に空気を読めないアホだとか、なんか独特のオーラ出てる変人とか、そういう皆と違うことをしている普通じゃないやつは弾き出される」
いわゆる、同調圧力が働いていると考えられる。
進学校なら、クソ真面目に勉強するのが普通。ただ、「極端に空気を読めないアホだとか、なんか独特のオーラ出てる変人とか」は、問題行動だと考えられる。
程度によるだろうけど、そう云う人は、注意しても聞かなかったり、暴力を振るったり、そういうのは明らかに普通ではないのでつまみ出される。他の生徒に危害が加えられる恐れがあるから。
そもそも高校は義務教育ではなく、私立なんかはとくに、お金を出して勉強をしにきているのであって、授業の邪魔をする行動をするのは、他の生徒が困る。
学校としては、お金を払っている生徒はお客。だけど、お客は神様ではないので、目に余る行動ははじき出されてしまう。
それでも主人公がいいたいのは、女子特有の同調圧力だろう。
「制服のスカートを短く折って、スクバを肩にかけて、ミニ扇風機を持ち歩いて、切り揃えた前髪にサイドバング垂らして、髪を染めてドライヤーで巻いて、化粧して。ブランドの話で盛り上がって。みんなみんな同じ格好をして、まるで大量生産されたモノみたいだ」
ここの表現もリアルだ。
いつの時代も、制服のスカートを短く折って、スクバを肩にかけて、ブランドの話で盛り上がって。みんな同じ格好をするのは変わらないなと感じた。
「普通の女子高生ならメイクに興味を持ち、JKであることに誇りを持つことが正しいのだ」この考え方から逸脱しているのが主人公、だというのがわかる。
女子高生ならば、全員がメイクしなければならないことはなく、個人の選択であり、学校の規則や自分の価値観に基づいて決めるべきもの。大学生になってからメイクを始めても遅くはない。
重要なのは、自分自身に正直であり、自分の判断で決めることなのだけれども、同調圧力があるのは否めない。
クラスメイトに自分の変化を見せたい意識が働くこと、「かわいくなったね」と言われることで嬉しくなるので周囲からの承認を求める心理が働くこと、「周りの皆がしてるからする」という集団の中で浮かないようにする。
結果として、女子高生は化粧をするという風潮に流れやすくなることはある。
それでも近年は「自分らしさを解放したい」意識も高まっており、同調圧力から脱却しようとする動きもある。
いわゆる主人公は。本人は望んでいないのだけれども、ファーストペンギンの地位にたってしまっているのだ。
長い文ではなく、数行で改行されている。句読点を用いた一文はながいわけでもない。短文と長文を組み合わてテンポよくし、感情を揺さぶってくる。
動きのある描写をし、ときに口語的。友達とのやり取りが自然で、キャラクターの個性がよく表れている。 日常の細かな描写がリアルで、臨場感がある。
また、主人公の内面の葛藤や感情がリアルに描かれていて共感しやすい。くわえて、日常の細かな描写や、感情の揺れ動きが丁寧に描かれている。ユーモアや軽妙な会話も特徴的で、物語にリズムを与えているのもいい。
五感を使った描写が豊富で、臨場感がある。
視覚では教室の様子、クラスメイトの姿、みね子のメイクや服装、ピンク色の雑貨店、真新しい服、白色のハンドバッグ、モールの明るいサウンドのJ-POP、エスカレーターの下降、真っ白な床、天井の電気、夏の日差し、信号機の色、セミの鳴き声、太陽の光などが詳細に描かれている。
聴覚はチャイムの音、クラスメイトの笑い声、セミの鳴き声、友達の声、モールの人々の話し声、J-POP、駅の雑踏の音、志柿 触覚は汗を拭う感覚、エアコンの冷気、手を洗う感覚、ピンク色の床、ヘアブラシの持ち手、ジャスミンティーの冷たさ、肩に乗せられた手などが描かれている。
味覚はジャスミンティーの苦さ、サンドイッチの味。
嗅覚は化粧品の甘い匂い、フードコートの食べ物の匂いなどが描写されている。
オノマトペや、主人公の独特な表現が面白い。主人公の性格がよく現れている。
遅刻遅刻地獄〜!!
チャイムがごんごん鳴り響いている
セミのジージー大合唱
ざあっと観察してみる
だはははは!
笑うたびに毛先のくるくるした茶髪のポニーテールがぽわんと揺れる。
冷たいジャスミンティーをズズズと吸い込む。
セミがジージー騒いでいるせいで、気温が実際よりも高く感じられる。
走れども、鐘が鳴るなり、我が学び舎。
額に滝のように流れているべったりした汗を左手で拭う。
暑さで感覚がマヒりそうだが、それでも走る走る走る。
ゴールは目前だ! と安心感に浸る間もなくチャイムは鳴り終わってしまった。
エアコンの冷気が歓迎してくれた。
静寂に包まれた教室は時間が止まったようだ。
右耳から左耳に流しそうめんしながら
周囲との齟齬に確実に苦しむことになるのである。
鼻をつくような化粧セットの甘い匂いが充満している。
カラフルが飛び回るけれど
ファンデーションって。まぶたを塗りたくるあれのことか?
ノロノロとハンカチで手を拭く私。
気怠けだるさと蒸し暑さも相まって気分は最悪だ。
ざわざわした教室の中で
小さなチクチクが私をつつく。
余計なもの全てが形をなくしてずぶずぶ教室の壁に溶け込んでいく。
全身の力がぬるぬる抜け落ちてしまいそうだ。
乾き始めていたはずの汗が再びねっとりと私を覆う。
真っ赤でつやのある唇に踏み潰された心地がした。
申し訳なさと嫉妬がマーブル模様になって、どうしても視界がはじけてくる。
暗い思考がねばねば張り付いてダメになってしまいそうだ。
真っ赤な嘘は真っ白なフローリングをみるみる染めていく。
そうやってグダグダ考えてばかりいる私はふらふら漂っている不安定な四季みたいだ。
昨日の罪悪感が抜けないせいか、気だるげを纏ったまま電車を降りる。
暑さで鼻が焦げそうだ。
こうした独特な表現が、主人公の性格や感情を読み手に伝え、ユニークとユーモアを生んでいて素晴らしい。
主人公のきららの弱みは、自分が「普通」ではないと感じること。
女子ならみんなメイクするのに、自分はしていない。そのため、周囲との違いに対する不安や劣等感を常に抱き、カーディガンだとすらわからず、ブランドもわからない。
親友たちとショッピングモールに遊びに行くときも、彼女らは明るく染めたりくるくる巻いた髪、垢抜けた服装、やたらキラキラした匂い。人形みたいに塗り固めた顔面をしてキラキラしているのに、自分は一つに縛っただけの髪や流行遅れのTシャツ姿。親友との関係における疎外感や嫉妬も生まれ、メイクの話にもついていけない。
洋服の店で、彼女たちは「かわいい」を連発。フードコードでは、食べる前にスマホで写真を撮り、プリクラを撮ろうとする。
周りと同じ感覚を持てないことへの孤立感に苛まれた挙げ句に、自分の意見を言えず、仮病を使って逃げてしまう。
主人公の内面の葛藤が繰り返したり多く描かれているので、新しい視点の展開が加わったり、もう少し外部の出来事や行動を増えたりすると深みが増し、バランスも良くなるかもしれない。
友達と写真を撮って、その写真の目を大きくしたり輪郭を補正したりして、キラキラに加工するプリクラの文化は、SNSなどの普及も影響があると考える。
魅力的な写真や動画による美しい風景や体験が伝わるビジュアルコンテンツは、視聴者の興味を引き、「やってみたい」「真似したい」という欲求を喚起し、その体験をしたいという欲求を刺激する。
SNSに上げられた画像を見て、自分たちもやってみたいと行動する。これもまた、同調圧力ともいえるかもしれない。
主人公の性格や価値観、これまでどのような行動を取ったか、葛藤を描かれているので逃げてしまう展開は予測がつくだろう。
ただ、どうしたらいいのかは、主人公とともに読者も一緒に悩んでしまう。
小学生の定期をひろい、微笑み返したとき、親友のみね子にみられる展開は予想外、主人公は驚きと戸惑いを感じただろう。
「なんかきららってさあ、色んな表情するからかわいいよね。笑ったり怒ったり、不機嫌な顔したり、嬉しそうにしたりさ。喜怒哀楽がはっきりしてるっていうか。いいなあ」
「何だ急に。なんかバカにしてる?」
「してないよー。私はさぁ、いつも愛想笑いで何考えてるかわかんないとかよく言われるしさ……。まーとにかく、きららがかわいいって話!」
彼女の言葉に救われる。
同時に、周りの子達に合わせるようにキラキラしている親友のみね子は個性が出せずに苦労しているような感じがする。
同調圧力により、周囲と似たような化粧をし、自分の意見を言えなかったり、新しいことに挑戦できないなど、自己表現を制限するため、常に周囲を気にすることでストレス増加の可能性も考えられる。
きっとみね子は、他の子達と同じふるまいをしない主人公を、羨ましく思っているかもしれない。
「おいみね子、暑いんだからくっつくなって」
「えーんきららに嫌われたあ」
「嘘だよん、みね子たんだーいすきだよお〜」
「えキモ」
「手のひら返し早っ!」
このやり取りが面白く、テンポが良くて、リアルだ。
「今日もまた担任のしょうもない話を聞いて、そろえたように髪を染めてスカートを折った同級生たちに嫌気が差すだろう」けど、「どんな痛みも、その場の空気を全部かっさらう勢いで友達と一緒にたくさん笑うあの快感には勝てっこない」だから「今はなんとかなる気がしている」いつか「この狭い場所から飛び出して、人の目を気にしなくていい世界に出会える」その時が来るまでは、と思えた主人公の成長や友達との関係性が自然に描かれていて、読後感が実に良い。
なんとかやっていけそう、そんな気になる。
読後。タイトルと見て、いまの高校生のリアルの一端を上手く描いた作品だなと感じた。
きっと、主人公のような思いを抱えながら高校に通っている子もいるはず。あなたのままで素敵だから、周りと違うことを恐れず、自分らしさを大切に。自分を信じて、あなたの個性を輝かせてください。
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