3時のさんぽ。

【1】

 「あっちではね、おともだちがいっぱいできたの」

 「そうか。おまえ、誰とでもすぐ仲良くなるもんな」


 「みんなと毎日あそんでるよ」

 「そうか。たのしそうだな」


 「うんっ! たのしいよっ!」

 「てか、おまえふとったな」


 「そうなの。あっちに行ったらこうやって、昔みたいにふとれたの」

 「がりがりだったになってたのにな」


 「よくさんぽの時にしんぱいされてたよね」

 「毎回だったよな。ありさが、ばぁさんに〝ぎゃくたいしてんじゃないの〟って、どなられた事もあったもんな」


 「ひどいよねぇ」

 「ありさ、〝たべてるけど、びょうきでふとれないんです〟ってなきそうになりながらいってたもんな」


 「そうそう、あの時はホントにこころがいたかったよ」

 「ありさがそんな事するわけないもんな」


 「ありさは、わたしたちのあいぼうだもんね」

 「いっつも、おいしいおやつくれるしな」


 「ありさがくれるおやつって、どれもおいしいよね」

 「そうだな。じゃーきーとか、うまいよな」


 「おいしいよね、あれ。わたしも、じゃーきーだいすき。あとね、ちーずもだいすき」

 「うまいよな、ちーずって。あと、やきいもってやつもたまんないよな」


 「おいしいよねっ! わたしもあれ、だいすきっ!」

 「めったにでないけど、ほんとうまいよな」


 「そうそう、たまにしかたべられないから、よけいにおいしいよね」」

 「ありさもすきだよな、あれ」


 「そうそう、よくみんなで食べてたよね。あと、あのしろくて、とろとろしたのなんていうんだっけ?」

 「よーぐるとだろ?」


 「そうっ! よーぐるとっ! あれおいしいよねっ!」

 「さいこうだよな、あれ」


 「いつまでもなめていられるよね」

 「おまえ、よくかおにつけてたよな」


 「あんただって、いっつもくちのまわり、まっしろになってたじゃん」

 「そうだったっけか」


 「ところで、ぼーるあそび、ちゃんとつきあってあげてる?」

 「ああ、やってるよ」


 「ありさがうれしそうにぼーるなげるからさ、なんだか、こっちまでうれしくなっちゃうよね」

 「そうだな。ありさがぼーるなげて、おれたちがありさにぼーるをもどしてやって、ありさがまたなげるのを、何回もやってたよな」


 「そうそう、これからも、いっぱいありさとあそんであげてね?」

 「おう、まかせろ」


 「ありさはぼーるあそびがすきだからさ」

 「そうだな。ホント、ぼーるなげんのすきだよな、あいつ。ひであきは、つなひきがすきだよな」


 「そうそう、ずっとやってたよね。あと、ひであきはつなひきがすきだよね」

 「おまえ、よくひであきとつなひきやってたよな」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る