日曜日の朝

てると

日曜日の朝

 復活、と書き出して止める。主、というのも変だ。そんなに、晴れやかじゃない。

 一日に四十本の煙草を吸う生活に、無為の日々。復活しなければいけないのは主ではなく私のほうだ。そう思って、聖書を手にとりコーヒーを飲む。

 イエス、マグダラのマリアの前に立ちはだかって曰く、「おはよう」。シャーローム、-平安あれ。すなわち、神殿の住人はいつも「エルサレム」…エル・シャーローム-主の平和のうちに在る。あなたに平安があるように。

 私の父はいつも私に言い聞かせてくれた。「平和ならあとのことはなんとかなるんだから」。アーメン、まず神の国と神の義を求めれば、必要なものは後から加えて与えられる。現実という妄想の悲観主義に生きる人にこのことは分かるまい。しかし神は誰でも招いておられる。

「なにごとのおはしますかはしらねども」、である。どんな御方かはっきりとは分からないが、もし神様がいらっしゃるならば、神様がそんなに卑小な方であるはずがない。しかし同時に、神様は私たちを鍛え上げて、神の国に入るのにふさわしい者としてくださる。

 ハレルヤ、友よ、戦いには神がついておられる。天の軍勢が万軍の主に率いられて我らと共に進む。エマニュ・エル-神は我らと共に在り。力と御名が共に在るのだ。なすべきことを神は「夜の歌」からでも与えてくださる。

 夜の歌に呑まれぬように、流され易い私を、神よ、我が友よ、どうか罪に狂わないように清めてください。

 国と力と栄えとは、限りなく、汝のものなればなり。アーメン

              マラナ・タ

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日曜日の朝 てると @aichi_the_east

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