第7話 憎めばいいのか?

 ラキアスを憎んで良いはずだった。

 なのに、あの女神を目にすると、なんだか力が抜けてしまうのだ。噴火が終わった後の「火山の女神」は、ただただ優しかった。

 その正体は三つの目を持つ黄金龍のはずなのに、ごく普通の女の人に見えた。

 ここではジンはひとりきり。ラキアスだけが話し相手だ。


 ジンは十二歳になっていた。もう二年が経過していた。

「いけないよね。このままじゃあ」

 水の精霊召喚の魔方陣を「光」で描く。もう、光で魔方陣が生み出せるようになっていた。

 けれども、辺りはうんともすんとも言わない。

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