迷子の日記
@tanpensyousetunohito
1話完結・迷子の日記
春の午後、森の中で小さな女の子が一人で座っていた。彼女の名前は小夏(こなつ)。彼女は目を閉じ、耳を澄ませて、森の中から聞こえてくる鳥のさえずりや風のざわめきを楽しんでいた。
小夏はとても好奇心旺盛で、毎日新しい冒険を探しては森や川を彷徨っていた。でも今日は特別だった。どうやら小夏は道に迷ってしまったらしい。
彼女はじっと立ち上がり、周りを見回した。しかし見渡す限り、どの方向に進めばいいのか全く分からない。太陽は空高くに輝き、時間が経つにつれて影がどんどん短くなっていく。
小夏は心配そうに眉を寄せた。彼女はふと思い出し、ポケットから小さな日記帳を取り出した。その日記には彼女が今まで見つけた面白い場所や大きな木、特別な石などが詳しく書かれていた。
「じゃあ、これで道に迷った時のための手がかりにしよう!」小夏は自分に言い聞かせた。
彼女は一生懸命に思い出しながら、日記に書かれていた場所を探した。すると、向こうに大きな岩が見えた。
「あ、あれだ!」小夏は喜んで走り出した。
岩の近くに着くと、彼女は嬉しそうに日記を開いた。そこには「岩の向こうに大きな樫の木がある」と書かれていた。
「よし、樫の木を探そう!」小夏は決意を込めてさらに進んだ。
数分後、彼女は本当に大きな樫の木を見つけた。木の近くには小川が流れ、その先には小さな家が見えた。
「あれが私の家だ!」小夏は大喜びで駆け出した。
家に着くと、小夏の母親が玄関で彼女を待っていた。
「どうしたの?迷子になっちゃったの?」母親が心配そうに尋ねた。
小夏は笑顔で日記を見せた。「大丈夫、日記があったから道を覚えて戻ってこれたよ!」
母親は安心した表情で小夏を抱きしめた。
「本当に頼りになるね、あなたの日記。これからも大切にしてね。」
小夏は母親の言葉を胸に刻んで、ふと日記を見返した。その日の出来事を一つ一つ振り返りながら、新しい冒険の記録を書き加えていった。
彼女の小さな冒険はまだまだ始まったばかりだった。
迷子の日記 @tanpensyousetunohito
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