白雪姫と魔女 赤ん坊
赤ん坊のそばにいるのは、黒いローブを被った女性であった。いつもそばにいて、お世話をしてくれた温かい存在。
赤ん坊はその女性が大好きであった。
赤ん坊と女性は森の中にある小さな家に住んでおり、やがて少女となって女性の後ろをついてまわった。
そんなある日、女性の口から自分が実の母親ではないことを知らされた。それでも少女は、女性のことが大好きであることには変わらなかった。
それから数年後、窓から見えるお城が本来あるべき場所であると言われ、行くこととなった。少女はまた戻ってくるつもりでお城に向かっていった。
お城の中は地位と権力で黒く塗りつぶされており、少女は居心地が悪くて悪くて仕方がなかった。自身を忌み嫌う7人の兄、再会した途端に素っ気なくなった生みの親。
少女は森に帰りたくて仕方がなかった。
お城に来てから数日後、森の中にいる魔女の話題で持ちきりとなった。少女は女性の正体を知っていたため、危険を察知し森へと戻ることにしたその時だった。
いきなり兄たちが少女が魔女の使いであると襲いかかり、首に縄を括り付けた。
段々苦しくなっていく最期の最期に頭に浮かんでいたのは、黒いローブの魔女の笑顔であった。
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