童話アレンジ集

巴雪緒

白雪姫と魔女

 あるところに大きなお城がありました。お城の中や付近は大変賑わっており、人々はある一人の赤ちゃんの誕生を祝ってのことでした。その子の肌は雪のように白く、とても愛らしかったため白雪姫と呼ばれました。


 そんなある日のこと、白雪姫が散歩に出かけている最中何者かに連れ去られてしまいました。連れ去った犯人は、王様の妾であり美に執着する魔女でした。

魔女は白雪姫を連れて帰ると、念入りに殺害計画を立てておりましたが、日々共に生活していく中で、だんだん居心地が良くなってきてしまいました。

挙げ句の果てには、白雪姫を殺害することも考えなくなりました。


自分の気持ちがわからず苛立った魔女は、白雪姫を元いた場所に返そうと思いつきました。

白雪姫は笑顔で城に戻って行きましたが、魔女と白雪姫の会話はこれで最後となりました。



魔女は別れてからしばらく時が経ちましたが、心の中がむず痒くイライラする日が続きました。

そんなある日、魔女の元へと手紙が届きました。

内容は白雪姫が城の中で遺体で見つかったというものでした。

手紙を読んだ途端、魔女はやっと死んだと笑いましたが、目には涙が浮かべており次から次へとポロポロと涙がこぼれてしまいました。

一体どこで間違えたのかわからないまま、魔女は手紙を片手に泣き崩れましたとさ。

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