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 デッドバーストふれあい祭りは、豊島区の久十字路町にある七つの区画に一つずつ保管してあるオーパーツをすべて集めることで開催される。

 このデッドバーストふれあい祭りは、東京都から日本全国の都道府県へエネルギーを届けるために開催されたのが始まりである。疫病や飢餓などの厄災を東京のチャクラによって解消し、永遠の繁栄を願う神聖なお祭りである。そのため、その目的と歴史的な重要性からデッドバーストふれあい祭りは無形文化遺産に登録されている。

 ちなみに板橋区で開催される芸能界不祥事クイズ祭りではオーパーツが四つ必要となる。このオーパーツは板橋区内の神社から神主に見つからないように盗み、祭りが終了したら返却するのが習わしとなっている。

 実際のところ、徳島の阿波踊りや青森のねぶた祭りほど盛り上がるわけでも人が集まるわけでもない。

 昔からやっているから、なんとなく今年も来年もやる。

 そういうお祭りだ。

 基本的に腰が曲がって口の臭いおじいさんやおばあさんのためのお祭りである。

 わしゃあ、デッドバーストが大好きでのぉ。

 今の若いもんはみんなデッドバーストせんから、なよなよしとるんだ。

 いっちょデッドバーストじゃあ。

 そんな会話が、開催時期が近づくと増えていく。

 とにかく中学生、高校生、そして大学生なんかが涎を垂らして参加するようなお祭りではない。

 でも僕はやるしかない。

 この町に住んでいて運営側に回ってしまったのだから責任というやつが少なからず発生しているのだ。オーパーツを集めるという面倒な仕事を終えなければ、この久十字路町で死ぬまで白い目で見られ続けることは間違いない。

 ちなみに僕が赤ん坊の頃に離婚をして家を出て行った父親は、去年のデッドバーストふれあい祭りを開催させて欲しいものを手に入れたそうである。一定の評価をするべきかもしれないが、今現在は女遊びに精を出す腑抜けになっているらしい。

 名前を、御処野 春介(ごしょの しゅんすけ)という。

 僕にとっては喋ったこともなければ顔も分からない血の繋がった他人でしかない。むしろ恥と言ってもいいだろう。

 冷静に考えると、親子二代にわたってデッドバーストふれあい祭りのお世話をさせられているわけである。面倒なことこの上ない。

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