情熱的とは程遠い夜

 夕刻-ポムの街メインストリート 


「ギームッ!宿を聞いてきたです…ッわ!」


「うおっ」


 歩きながら近づいて来たマーガレットが急に加速を付けてギムの胸に飛び込み、両手を背中に回す。


 いきなり飛びつかれたギムは声を上げて驚くが、直ぐに堪忍しマーガレットの温もりを感じる為に背中に手を回しギュッと抱きしめる。


「んっ…ふぅ、、つ、続きは宿でぇレッツファイトですわッ!さあ、付いてきなさい…ですわあああッ!」


 マーガレットが反撃をされて喘ぎ声を上げた。

 次に頬を紅潮させ、鼻息を荒くしながら縦ロールと豊かな双丘を揺らしてギムの手を引っ張り、駆けていく。


 「ちょ、早」


 興奮し、スキル『高速』によって足が速くなったマーガレットは何かを言い掛けたギムの事など気にせずに走る。







 「ギ、ギムッ!?」


 マーガレットがギムの様子に気付いたのは宿の前に着いた後であった。


 「…っはぁ、はぁ、マ、マーガレット…足早くねぇか?久々に全力で走って息が苦しいんだが…」


 ギムは地面に倒れ、息絶え絶えになりながらもマーガレットに話しかける。

 

 「ふーん、ギムは足が遅いですの。初めて、わたくしの勝ちですわねッッ!」


 マーガレットは意地らしく顔をニヤニヤしながらギムに手を貸して起き上がらせる。


 「さて、負けたギムにはペナルティを払ってもらおうかしらッ!」


 「はぁ?」


 マーガレットが勝負すらしていないのに急にペナルティと言い、ギムは訳わからんと驚きの声をあげる。


 「ギムには夜の格闘技の際には自ら私に攻撃するのは禁止ですわッ!ずっと横になってなさいまし!私が直ぐに天国に連れて行って差し上げますわッ!おーほっほっほっほッ」

 

 マーガレットがトンデモ宣言をし、優雅に宿の中に入っていく。









______朝方___宿の一室______




「…っあへっ…あへぇ…な、なんれぇれすわぁ…とひゅうまでわたくしがかってたとおもってたのにぃ おっ!?おほぉっ!…」 



 夜の宿の一室にある激しく揺れるベッド、一糸纏わぬ姿をしたマーガレットは横になった大男、ギムに跨り艶やかな嬌声を漏らしていた。

 

 顔をアヘアヘさせ、口から涎を出していたマーガレットは急に下半身をグッと貫かれ、ガクガクと体を痙攣させる。

 

 そして直ぐに射出された液体でシーツを濡らしながら泡を吹いて気絶し、そのままギムの体に倒れる。


「マ、マーガレット…」


 そんなギムは自分の体に驚きながらマーガレットの身を案じる。


 「訳分かんねぇー…」


 ギムは自分の体に心底驚きながらもマーガレットの体をお姫様抱っこし、自分の横に寝かせ、そして布団を裸体の上に被せる。


 そしてギムは愛するマーガレットの額に軽くキスをした後、自分も横になる。


 (はぁーー…にしても流石に9時間ぶっ続けはヤバいな…)


ギムは心の中で長い溜息を吐く。

 

 そう、ギムとマーガレットはつい先程まで9時間程ベッドの上で格闘していたのだ。

 

 途中で水分を摂ったりもしたが、殆ど休憩せずにぶっ続けで戦ったのである。

 

 夜の8時からベッドに入り、翌日の朝5時まで連戦した2人は疲れて眠ったのであった。













????


『フォッフォッフォッ。ギムはようやっとるのう。なあ、婆さんや』


『そうさね。爺さん、まあ、あの子はあたしらが育てた子なんだから当然と言えば当然なんだがね…』


『『はぁ。やっぱギムは可愛い(のう)(わ)』』



 


________


どうも。黑兔です。


最後まで読んで下さりありがとうございます。


今回は結構ピンクな話になりましたが、最後の最後で謎の爺婆が出てきました。


そしてマーガレットは相変わらずです。

え?それを書いた作者の頭はめっちゃピンクだって?





褒めるなよぉ~照れるじゃあないか。





誠に申し訳ありませんでした。




 


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