見た目の割にピュアな心の持ち主であるスキンヘッド傭兵はヤバい女にばかり好かれてしまう〜俺のスキルは『絶倫』『圧倒的な力』…いや…何なんだこれ…〜

黑兔

1章-貴方は素敵なスキンヘッド

公爵令嬢との邂逅

今宵君はスキンヘッド

:登場人物

.スキンヘッド傭兵


.金髪縦ロールの女・マーガレット


.賊A.B.C


.爺、婆

__________________


 -夕刻のハジ王国、モノー伯爵の街へと続く街道-


 一直線の街道と森の間に、黒塗りの馬車が車輪を破壊され、止まっていた。その周りには胴体を袈裟斬りにされた騎士らしき死体が転がっており、凄惨な惨状が広がっている。

 

 そしてその奥にある小藪の側には金髪縦ロールの10代らしき"彼女の性癖"を無視すれば世の男性がこぞって求婚するであろう端正な顔立ちをした女性が居た。


 彼女はお尻を地面につけた状態で後ずさっていた。

 

 周りを囲む複数の賊はそんな彼女をじりじりと森へと追い詰めていた。


「グスッ、フーッ、フーッ、汚らしい賊ごときが、この私に触れたらただじゃおきませんことよ…」


 刃物を出した賊をキッと睨みつけ、女性は普段であれば綺麗であろう顔を涙と鼻水でぐしゃぐしゃにしながら、言葉を発する。


「へっへ…この絶望的な状況でなかなかに反抗的な目をしやがるじゃねぇか…ま、正直な下のお口は怖いよお、怖いよおって言ってるみたいだがなぁ?」


 賊Aの目線の先には金髪縦ロール女性の股に向けられていた。

 なんと彼女が座っている地面に水溜まりが出来ていたのであった。


「へへっ、お頭ァ…早くヤっちまいやしょうよ…」


 手下の賊Bが今にも襲いそうな程情欲に汚れた視線を女性の股間辺りに向ける。


「まぁ待てや、お前は俺の次な。おらよ」


「いやああああッ」


…ビリッ



 賊Aは乱暴な手つきで金髪縦ロール女性の着ている赤いドレスの胸元を破り裂いていく。



「おぉ…こりゃあすげぇ、澄ました顔の下にすげぇ双丘が隠れていたじゃねぇか」


「その上にちっちゃくて可愛いものまでついていて良いなぁ。ハァハァ…」


 もう一人の賊、Cが呼吸を乱しながら胸元を凝視する


「いやぁぁっ!見るなぁですわッ!」


「さぁて、さっさとヤっちまうかぁ。なぁに。直ぐに自分から腰を振るようになるさ」


「いやああああああやめるのですわァアッッ!」


 賊が女の豊かな双丘に自分の粗末な物を出して襲いかかろうとした、が












…ガサッ







「お、やっと見つけたぜ…ゴミがよ。なんでこんな街の近くに居やがんだよ、、俺ァわざわざお前らの住処まで行ったんだぞ?ふざけんなよ?あァ?ちったく、手間かけさせやがって…死んどけやッ!」


「あァ?なに言ってんだァ?てめ」


    



      …グシャァァ


 


 賊Bが言葉を発しようとした瞬間、森の中から現れた人相の悪い一人の大男の拳により、金髪縦ロール女に襲い掛からんと、取り囲んでいた複数の賊の頭である男の頭部と周りのほとんどの賊の頭部が粉砕された。


「なァ!?、、お、お頭ァ…?ん…?あ、あ、あ、俺の手があアァ」


 直後、唯一の生き残りである賊Bは絶叫していた。

 

 なんと、賊Bの手首から先はその衝撃波で無くなっていた。


「うるせぇなぁ…」




 次の瞬間に生き残りの賊Bの頭は木っ端微塵になった。










......









(グスッ…私どうなっちゃ…………賊は…?え?なっ、なんですの!?)


 

 来たる絶望の瞬間から逃れたく、目を閉じていた金髪縦ロールの女、いや、マーガレットは聞こえてきた音と肌に降りかかってきた生暖かい感触ににより目を見開いた。



 「いやああああああああああッですわッ!……」



 マーガレットは目の前の男の姿を見た瞬間に意識を手放した。









……








夜-モノー伯爵の街の近くにある森-





「んっ…なんですの?此処は何処、ですわ…」


 気絶から覚めたマーガレットはショックで寝ぼけながら辺りを見回す。自分の体を見れば軽い毛布がかけられていた。







  (!??)








 マーガレットの視線の先には頭部がツルツルの半裸の大男が焚き火の前で魚を炙っていたのであった……





 「よぉ、起きたか」




 スキンヘッドの大男が語りかける




 「あー…私寝てる間に汚されたのですわ…」



  マーガレットが小さく呟く



 「あァ?何を寝ぼけた事言ってやがる。他人の、しかもそんな小便まみれの体なんか絶対触りたくねぇぞ。おれはよ…」


 スキンヘッドマンがただでさえイカつい顔を更に歪めながら話す。




「おしっこまみれで悪かったですわねッ!!まぁ、私が汚されて無いのはその反応で分かりましたわ…」



…ドクンッドクンッ


 何故かマーガレットは今、心臓がバクバクしていた。寒いところで寝ていたからなのだろうか、それとも見ず知らずの男の隣にいる事に対する恐怖からなのか。

 

 否、彼女の視線は体の一部分、それこそ先ほどまで彼女を襲おうとしていた賊のように大男の上半身の筋肉をマジマジと見つめていた。



 「あ、あ…」(男の人の筋肉ってこんなに艶めかしかったでしたっけ…ですわ…いえ…この筋肉だからこそ、ですの……頬の方が灼けるように熱くなってきましたわ…)


 

 マーガレットの頬が紅く、紅く染まっていく。

 

 周りの声などもはや聞こえていない、一種のゾーンに入っていた。



「なんだァ?なんで俺をまじまじ見てやがる、なんか背筋が寒いぞ…それでさっきから話してるんだが馬車の残骸の周りであった死体の事知らねぇか?身なりからして高位の騎士だと思うんだが、あァ…?おい、何をそんなに見てやがんだ、なんか近寄ってきてねぇか…寄りすぎだ、離れろ、おいぃ…離れてくれぇ!」


 マーガレットはスキンヘッドにじりじりと近づいていく。

 

 スキンヘッドは両手を使って離そうするが強い力で押し倒される。


「ハァ…ハァハァハァハァハァハァ

ハァハァハァハァハァハァハァ…」


 マーガレットは呼吸が荒くなる


「ぉい?近いぞ!おぉい「ハァッ、ハァ、ハァッハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァッ」


(なんですのおおお!この筋肉はッ!滴る汗が艶めいて見えるのですわぁ!)







「ぺろっ」




「ぺろぺろっ」



















「あァあ"!?」












 大男は舐められた事に対してショックを隠しきれずに顎が文字通りにだらーんと垂れ下がる。


「いやいやいやいやいやいや」


「お前やってる事おかしくねぇかぁ?な、なんで初対面の男の体を舐められるんだよ…?」


「ですの…?」


「いや、ですのじゃなくて、答えになってねェよ」


 スキンヘッドの大男は恐怖で顔を顰める。



「更に下を舐めろという事ですの?変態ですわねぇ〜っ!分かりましたわ。誠心誠意貴方の粗末な物を舐めさせていただきます、わッッ!」


「なっ、えぇっ!?何処に手をやってぇえ?」


「御開帳ッですわぁあ!おーほっほっほっほっほ…?…な、なんですの…この大きさは……おほぉ…」


「はぁ…?」



 止める間もなく伸ばされた手によってズボンのチャックを外され、馬よりデカいモノが外にフルオープンされたスキンヘッドは勝手にやって勝手に自滅し、白目を剥いて気絶した金髪縦ロールの女の顔を見て呟く。




「な、なんなんだぁ?一体…」








 そう独り言ちた、スキンヘッドの男、ギムは涙目になって横になる。ギムはこう見えて18歳である。

 

 イカつく、尚且つ筋骨隆々でハゲな彼はとてもじゃないが10代には見えない、所謂若ハゲというやつだ。

 

 生まれながらに毛根が薄く、15歳の時には既に禿げ散らかしていた。

 

 しかもその見た目から、街によっては衛兵に即捕縛されてしまうこともある。

 

 まあ冗談はさておき、   彼、

 

 ギムは賊によって育ての親を失っている。  

 

 彼は、赤ん坊の時に実の両親を賊によって命を奪われた。

 

 だが、その後に山村の端に暮らす優しい老夫婦に拾われ、育てられた。

 

 

 そして彼は、無事に成長した。

 

 が、街に買い出しに行っている間に、賊の手よって17年育てて貰った恩ある祖父と祖母を失った。

 

 

 その後彼は自らの手で祖父母を殺した賊を殺めた。

 

 それから色々あった彼は傭兵ギルドを通して依頼を受け、賊の討伐をしている。












 そんな彼は後に『弱者の庇護者』『高貴なる者を堕とす者』として呼ばれるようになる。

 

 だが、そんな未来を今の誰が予想するだろうか…

 



 今は紛れもなく、世界に数多く存在する














      『平凡な傭兵』







       であった












_________


どうも。黑兎です。


最後までお読みくださりありがとうございました。


誤字脱字報告、流れがおかしい、言い回しがおかしい、等の忌憚なきご意見、いつでもお待ちしております。




何卒、スキンヘッド傭兵をよろしくお願い致します。











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