教育テレビ

深夜、部屋の電気もつけずに真っ暗な部屋でテレビを見ている。

テレビでは教育テレビが流れており、お兄さんとお姉さん、そして子どもたちが楽しそうに踊ったり歌ったりしている。

「さあ、それじゃ今度はみんなで一緒に歌を歌うよ!」

お兄さんがそう言ってカメラに向かって指を立てる。

「3!2!」

映っている人たちがカウントダウンを始める。楽しそうな声で言っていたが、最後の「1」だけは異常に低い声で言う。

その瞬間、画面が真っ赤になり、映像がよく見えなくなる。しかし、よく見てみると画面が真っ赤になっているだけで、映像自体はさっきと同じような映像が流れていて、音声はさっきと同じ楽しそうな声と明るい音楽が流れている。ところがよく見ると映っている人たちは全員首が横に90度曲がっていて、異常なほど首を傾げたような見た目になっている。

そんな見た目だが、音声に異常はなく、楽しげな音楽と歌声、話し声が聞こえてくる。そのミスマッチな感じが気持ち悪かった。

そこでお兄さんが歌うのをやめて棒立ちになり、首に手を当てる。

「あれ?痛い」

お兄さんがそう言うと、今度はお姉さんが歌うのをやめて棒立ちになり、首に手を当てる。

「あれ?痛い」

今度は子どもたちが1人ずつ同じように棒立ちになって、首に手を当てる。

「あれ?痛い」

「あれ?痛い」

「あれ?痛い」

次々と子どもたちがそう言い始めて、全員が言い終わると今度は全員が黙り、沈黙が流れる。

「あああああああああああああああああ」

全員が同時にそう言いながら首を掻きむしり始めた。


そこで目が覚めた。

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ゆめ怪談 しゃいれむ @00859675

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