第27話 鉱物

『吾輩は猫である。名前は3つある。』


「みてみて。とらちゃんの言われたように石ころとか砂を集めてみたの。どう?すごいでしょう!あ、このふろしきはおばあちゃんにもらったの。かわいいでしょう?」

 見てみると大小さまざまなものが風呂敷の上に広げられている。この前一緒に出かけたときに見たものから、初めて目にするものまで。見ても違いはわからないから舐めてみたが、わからないまま。

「味見してるの?それもケンキューなの?あたしにはムリ。でもでも、キラキラ光るのがある石ころもあるんだよ。ほら、コレとか!」

 そうやって手のひらに載せて見せてくれたものは、確かに綺麗。昔に食べたおやつを思い出したので、舐めてみた……やっぱり美味しくないにゃん。

「とらちゃんがなめたけど美味しくなさそう、っと。他のもなめてみる?おいしいのがあるかもしれないよ?」

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