第25話 カラカラ
『吾輩は猫である。名前は3つある。』
水筒の中で氷が踊ってる音がする。中身が何かまでは知らないけれど、冷んやりしているからきっと猫舌の吾輩にはぴったり。物欲しげに『にゃん』と鳴くと、手に中身を出してくれた。
「はい、どうぞ。今日は暑いからねぇ……とらちゃん用のコップも持ってきたら良かったな。また欲しくなったらちゃんと言ってね」
ケンキューの付き添いで外に連れ出しているせいか、普段よりも普通の猫として扱ってくれている気がする。なんだかんだで賢い子だ。こちらもそれに合わせねば。
「うわ、舌がザラザラ。くすぐったい。そんなになめなく……って、やーめーてー!ほしいならにゃんと言って。もう少し出すからちょっとまってって」
……ちょっとやり過ぎたのかもしれない。こんな暑い日には冷たい飲み物は心地よい。
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