第11話 錬金術
『私は猫である。名前は3つある。』
「おい、タイガー、どこにおるのじゃ?」
私だって尻尾が2つになるぐらいには長生きしている。だから、この呼び方がご飯ではないことぐらいわかるし、何か面倒ごとだということまでわかる。そのまま声を潜めて隠れていたのだが、
「なんじゃ、ここにおったのか。さあ、今日も吾輩の術、実験、いやいや真理の追求に付き合ってもらうぞ。」
それが嫌だから隠れていたというのに、聞き入れてはくれない。無理やり口に何かを流し込まれた。私は抗議のために『にゃん』と鳴いたが、どうやらこの魔女に耳はついていないらしい。
「何を失礼な事を。ちゃんと聞こえておるわい。……まさか成功したのか?」
こちらもビックリして、ついつい相手の顔を見てしまう。とんがり帽子の下からまんまるい目がこちらを見ていた。
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