第9話 ぱちぱち
『僕は猫である。名前は3つある。』
「なんだか今日は寒いわ。夏真っ盛りというのに火鉢を出そうかと思うほどよ。もっとも母屋にしまったままだし、私には動かせないけど。ぱちぱちという音をみんなで囲んでいた頃がとっても懐かしいわ。あの頃はまだお爺さんもいたし、私もまだ元気だったし、他にも……それにしても、今日は暖かいお茶が格別に美味しいわ。ごめんなさいね、私だけ飲んじゃって。冷ましたお茶だったらどうかしから?それともおやつの方が良い?」
その声とその顔に不吉な予感はしたけれど、僕はいつもと変わらないように『にゃん』とだけ鳴いた。
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