第8話 雷雨
『僕は猫である。名前は3つある。』
大きな音に驚いていると、急に雨が降り出した。暑い夏の夕方にはこんな事がたまにある。あの日以来、縁側の下ではなく縁側で寝るようになったので、雨やら雨樋からの水に濡れる心配はない。
「あらやだ、夕立。でも、打ち水をしなくて良いから楽だわ。」
そんな声と風鈴の音。どこか遠くでまた大きな音が響いているが、雨に濡れない限り僕は気にしない。欠伸をする余裕だってある。屋根のある場所は良いものだ。
「そろそろごはんにしようか、寅三郎?」
ちょうど良い時間だしお腹も空いていたし、僕は『にゃん』と返事した。
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