第7話 ラブレター
『僕は猫である。名前は3つある。』
「病院でお医者さんと話してからね、私もそろそろかなぁって思い始めたの。それでね、色々と整理しなきゃと思って、箪笥の中をひっくり返したら懐かしいのが出てきたのよ。ほら、見て。むかーし昔にお爺さんからもらった恋文。あなたはまだあの人を覚えているかしらね。お爺さんったら、あんな顔に似合わずに綺麗な字を書くでしょう?しかも一度も言葉には出したことないくせに、こんな事を書いてくるだなんてねぇ。素敵な人だったわ……」
僕はにゃんとも言えず、黙って昔話を聞いてきた。
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