第2話 響!影の取引を暴け、ドタバタの夜
麗奈はクラブの営業中、涼宮響を呼び出した。彼女の美しい顔には決意の色が浮かんでいた。
「響、クラブ内で怪しい取引が行われているという噂があるわ。真相を突き止めてほしいの。」
響は驚いた表情で頷いた。
「わかりました、麗奈さん。まずは誰が関与しているのか調べます。」
その時、白鳥龍之介が静かに近づいてきた。
「麗奈様、響君、私もお手伝いさせていただきます。」
「龍之介、頼りにしてるわ。何か分かったらすぐに報告してちょうだい。」
響はクラブ内のキャストやスタッフに話を聞き、怪しい動きをしている人物を探した。数名のキャストが最近、不審な客との接触が増えていることを話してくれた。
「どうやら、怪しい客が頻繁に来店しているようですね。龍之介さん、あなたも何か感じましたか?」
龍之介は静かに頷いた。
「はい、響君。特定の客が一室に長時間滞在していることが多いです。その部屋を調べる必要があります。」
響は早速調査を開始するが、その間にもドジを連発。キャストの衣装にコーヒーをこぼし、ドアにぶつかって転び、さらには持っていたメモを風に飛ばされて大騒ぎに。
「もう、響!あなたのせいで余計な手間が増えるわ!」麗奈は苛立ちながらも、響に指示を出し続ける。
麗奈は響と龍之介からの報告を受け、二人と共に問題の部屋へ向かった。部屋の中には、何も異常は見当たらなかったが、龍之介が一冊の古い本を見つけた。
「この本の中に何か手がかりがあるかもしれません。」
麗奈が本を開くと、そこには暗号めいたメモが挟まれていた。
「これは…暗号ね。解読しなければならないわ。」
響は本を手に取り、おどけた様子で暗号を見つめた。
「これ、なんだか宝探しみたいですね!」
麗奈は冷たく響を見つめた。
「響、これが遊びだと思っているの?真剣に取り組みなさい。」
龍之介と響は暗号の解読に取り掛かった。数時間の試行錯誤の末、ついに暗号が解読された。それは、次の取引が行われる日時と場所を示していた。
「これで取引の現場を抑えられるわね。」
麗奈は決然とした表情で言った。
「麗奈さん、もしかして、この取引って本当にあるんでしょうか?もしかしたら、誰かのいたずらかも…」
「響、その考え方こそ愚かだわ。取引があるかどうかを確認するのが私たちの役目よ。」
指定された日時、麗奈と響、そして龍之介は取引が行われる部屋の近くで待機した。やがて、数名の怪しい男たちが部屋に入っていくのを確認した。
「今よ、響、龍之介。行きましょう。」
3人は部屋に突入し、取引現場を押さえた。男たちは驚き、慌てて逃げようとしたが、龍之介が冷静に対処し、全員を捕まえた。
しかし、捕まえた男たちの一人が突然笑い出した。
「何がおかしいの?」
麗奈が問い詰めると、男は答えた。
「実は、これ全部仕組まれたドッキリなんだよ!仲間たちとちょっとしたサプライズを用意してたんだ。」
麗奈は一瞬驚いたが、すぐに冷静さを取り戻した。
「サプライズ?まったく、何て馬鹿げたことを。けれども、もう少しで本当に信じるところだったわ。」
男たちのドッキリは大失敗に終わり、麗奈たちは全貌を把握した。麗奈は冷静に男たちを諭し、二度と同じことをしないように約束させた。
「これで一件落着ね。ありがとう、響、龍之介。あなたたちのおかげよ。」
響は照れくさそうに笑った。
「いえ、麗奈さんの指示があったからです。でも、本当に驚きましたね。」
龍之介もまた、冷静に微笑んだ。
「麗奈様、これからもクラブの安全を守ってまいります。」
クラブ「グランドオペラ」は再び平穏を取り戻し、麗奈と響、そして龍之介は新たな日常を迎える。しかし、彼らの前にはまだ多くの試練が待ち受けていることを、彼らはまだ知らないのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます