第3話:って言うか・・・君誰?

健斗は自分のパジャマをロリアンに渡しておいて彼女をほったらかしたまま

勝手にソファに寝転んでさっさと寝てしまった。


ひとり取り残されたロリアン、しかたないので寝てる健斗をギューギュー奥に

追いやって狭っ苦しいソファーに健斗の背中に抱きつくようにして眠った。


ロリアンにとって健斗は、はじめて出会った男だけど精霊のニンフにとって

男に抱きつくなんて普通のこと・・・日常茶飯事な出来事だった。


そして次の朝。

健斗は目覚ましが鳴ってるのになかなか起きられない。


「う〜頭痛え〜・・・」


昨夜の酒がまだ残っていた。


「頭がガンガンする・・・二日酔いだよ」


で、起きようとしたけど動きづらい・・・自分の体になにか当たるものを感じた。


「ん?・・・窮屈だな」


で、後ろを振り返って見た。


「・・・・・わっ!!」

「なに?、誰?・・・なにこれ?・・・なんでこんなところに女がいるんだよ?」

「なんでソファに?・・・なんで、俺の横で女が寝てんだ?」


しかもその女はすっぽんぽんで何も着てないときたもんだ。

健斗が渡したパジャマをロリアンは着なかったみたいだ。


「まじか〜酔った勢いでおネエちゃんをナンパしてお持ち帰りしちゃったんだ」

「で、そのままの流れでやっちゃったのか?俺」

「参ったな〜・・・とうとうこんなことになっちゃったか・・・」

「ちゃんとコンドームつけてやったんだろうな?」


寝てるロリアンが裸だったから健斗はそう思ったんだな。

健斗がうるさく騒ぐから寝てたロリアンが目を覚ました。


「ふわ〜〜〜〜〜あ〜よく寝ました」


「あ、起きた?」

「ごめん・・・俺、酔った勢いで君をお持ち帰りしちゃったみたいだね」


「あ、おはようございますぅ」

「夕べはどうも〜」


「やっぱりだ・・・お持ち帰りしたんだ」


「まあ、お持ち帰りされたってことになるんですかね、私」


「あのさ、ごめんね・・・君を奪っちゃって・・・ってか同意の上だよね」

「無理くりじゃないよね・・・だとしても婦女暴行で訴えないでくれる?・・・

なんでもするから・・・金はないけど・・・」

「その前に服きてくれないかな・・・そのままだと、またやっちゃいそうだから」


「服なんか着ないです・・・いつだって裸ですから」


「何、言ってんの・・・裸で生活してる子なんていないだろ?」


「私の世界では精霊や妖精はみんな裸です」


「って言うか・・・君誰?」


「誰って?・・・忘れたんですか?」

「あ、私のこと覚えてないんだ・・・酔っ払ってて・・・」


「ごめん、覚えてないわ・・・昨夜、なにかあったのかな俺と君の間で」


「お酒を飲んで記憶がないって卑怯ですよ、それって」


「うん、わかった・・・って言うか・・・君、その耳異常に尖ってない?」


「普通ですけど・・・それよりあのですね・・・」


そこでロリアンは昨夜あったことを健斗に話して聞かせた。


「で、私の名前はニンフのロリアンです・・・インポじゃなくてニンフ、

ロリコンじゃなくてロリアン」

だからね・・・私の名前はロ・リ・ア・ン、忘れないでくださいね」


「ちょっと待て・・・なに?・・・そのニンフのロリアンって?」


「だから、今、説明したじゃないですか、異世界から来たって」

「もうお酒飲んでないんでしょ?聞いてなかったんですか?私の話」


「聞いてるよ・・・ちゃんと・・・」

「で、俺が君を、ロリアンさん?ちゃん?をアパートに連れて帰ったと?」

「で、朝まで俺の横に寝てたと?」


「私を連れて帰って来ておきながら、私をほうったまま寝ちゃったでしょ?」

「私、どうすればよかったんですか?」


「じゃ〜そのロリアンちゃんと俺はエッチしてないってこと?」


「そんなヒマもなく寝ちゃいましたよ健斗さん」

「健斗さんが起きてたら、もしかしてそう言うことになってたかもですけど」

「私がしたいって思っても健斗さんグースカピーって寝ちゃいましたからね・・・」

「ふにゃチンとなんかできないでしょ?」


「あ〜やってなかったんだ、よかった〜って?なんで俺の名前知ってるの?」


「バカみたいに自分のプロフィールべらべらしやべったんじゃないですか」


「あ、そうなんだ・・・」

「え?じゃ〜俺がシラフだったら、エッチしてたかもってこと?」


「うん!!」


「まじで?・・・寝るんじゃなかった・・」

「それはそうとロリアンちゃん立派な体ししてるけど、何歳?」


「15歳です」


「じゅ、じゅ〜ごさい?・・・15歳って中学生じゃん」」

「未成年じゃん・・・まずいじゃん・・・保護者呼んで来いよ!!」


「私の世界では15歳は立派な成人ですよ、だから大丈夫、ハグしたってチュー

したって・・・エッチしたって・・・」


つづく。


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