第2話:健斗のアパート。
「めっちゃお酒臭いんですけど・・・あなた誰?」
「お、おれ?・・・ゲブッ」
「わっ酒くさっ」
「あ〜はじめまして」
「俺は
卯年・・・で、現在25歳・・・彼女いない歴三年・・・現在彼女募集中」
「そんなとこでいい?おネエちゃん・・・」
「で?君こそ、誰?」
「私、おネエちゃんじゃなくて、名前は「ロリアン」って言います」
「あんだって?ロリコン?・・・大丈夫、許容範囲、俺ロリでもいいよ」
「ロリコンじゃなくてロリアン・・・」
「ニンフやってます・・・」
「え?インポやってる?・・・インポなの?・・・?君、女なのに?」
「ニンフです・・・インポじゃなくて・・・どう言う耳してるんですか?」
「あ〜ニンフね〜・・・おネエちゃん、面白いね」
「面白いのはあなたです」
「おネエちゃんじゃなくて、ニンフのロリアンですって言ってるでしょ」
「ふ〜ん・・・まあいいわ」
「ところでさ、ロリコンちゃんなんで君、ゴミ箱なんかに入ってるの?」
「このあたりが一番霊力が強いからだと思います、磁場がゼロなんですよ」
「私、この異次元トンネルを通って異世界から人間界にやって来たんです」
「へ〜・・・そのゴミ箱、心霊スポットなんだ・・・」
「で?その異世界とかってとこから追い出されたの?・・・あマズッったんだ」
「誰かと不倫しててバレたとか?」
「そんなんじゃありません、なんでそう言うことになるんですか・・・
不倫なんかしたことありません」
「あらら・・・じゃ〜パパ活とか援交とか?」
「・・・・・あのね、私をからかってます?」
「なんで、わざわざそっち方向に持ってこうとするんですか、もう」
「いや、わざとじゃなくてね」
「つうかさ・・・いつまでそうやってゴミ箱に入ってるつもり?」
「そのうち回収車がやって来てゴミと一緒にぷい〜って持って行かれちゃうよ」
「夜風も冷えることだし・・・なんならさ、よかったらだけど俺んちへ来てみる?」
「いいんですか?」
「見ず知らずの男のところに来る勇気があるならどうぞ」
「ただし泣いて帰ることになるかもよ」
「泣いて帰る?・・・意味分かりません」
「いいから、どっちみちそのままじゃダメでしょ?」
「そうですか?それじゃお言葉に甘えて・・・」
そう言ってロリアンはゴミ箱から上半身を乗り出した。
健斗の目の前に、程よくタワワなおっぱいが・・・。
「あ〜やっぱり飲みすぎたかな・・・」
「あの、出ていい?」
「どうぞ・・・そのぶんだと下も、すっぽんぽんだよね・・・俺は見ない
ようにするから・・・後ついておいで」
ゴミ箱から出てきたニンフのロリアンは、さっさと帰って行く健斗の後を
裸のままヘコヘコついて行った。
部屋にあげてもらったロリアン、遠慮がちに佇んでいたら・・・
「あのさ、その辺に適当に座ってて・・・」
「すいません・・・図々しくお邪魔して」
「いいの、いいの・・・俺の他にいるのはゴキブリくらいだから」
「あのさ・・・悪いんだけど話は明日聞くからとりあえず寝かせてくれる?」
「それから、そのままでも俺はいっこうに構わないんだけど、とりあえず
これ着て」
そう言うと健斗は自分のパジャマをロリアンに渡しておいて彼女をほったら
かしたまま勝手にソファに寝転んでさっさと寝てしまった。
ひとり取り残されたロリアン、しかたないので寝てる健斗をギューギュー奥に
追いやって狭っ苦しいソファで健斗の背中に抱きつくようにして眠った。
ロリアンにとって健斗は、はじめて出会った男だけど精霊のニンフにとって
男に抱きつくなんて普通のこと・・・それが人間の女性なら問題かもしれない
けどニンフにとってそれは日常茶飯事な出来事なのだ。
つづく。
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