第3話 ギルドで美少女モブとの出会い。

周りを見渡し……癒し系……癒し系……可愛い子……可愛い子……は何処だ〜


おっ!いたいた……!ゲーム内だから声を掛けられるけど……現実じゃ恥ずかしくて、声なんて掛けれないし掛けたこともない。


 

「なぁ~忙しい?」


「忙しいわよっ!これから魔物の討伐に行くんだけど一人じゃ無理だから仲間を探してるのよ。邪魔しないでっ!」


 

うわ。可愛いけど恐いな……なんで怒ってるんだ?でも可愛いし……仲間を探してるなら、俺も仲間になりたいんですけど?頼り無さそうに見えるのか?俺……結構強い方だと思いますよー?


 

「その仲間になってあげようか?」


 

あ、ちょっと上からって感じで言っちゃったよ……でも、まあ〜レベルは完全に俺の方が上だから良いだろ……多分。


 

「え?ほ、ホント?良いの?わぁ~♪実は……緊張して声を掛けられないでいたの〜」


 

あれ?雰囲気が一気に変わって……笑顔が可愛いし口調も優しくなったな。なんだ……緊張してテンパってただけか……


 

「俺さ、暇してて話し相手とか、色々と情報が欲しくて仲間とか友達が欲しくてさ」


「わ、わたし・・・アリーナっていうの。双剣使いだよ」


「俺は……えっと……」


 

相手の基本ステータスを見れば戦闘職が分かるので聞かれる事や、わざわざ言う必要がなかったので慌てて自分のステータスを確認すると、ステータスの職業欄が無くなっていた。え?あれ?職業欄が無い?無くなってるじゃん……仕様変更か?別に良いけど……あまり気にした事が無かったし。そもそもパーティの仲間探しなんか最近してなかったしな。

 

は?え?何でも使えるけど……俺、何使いなんだ?何でも使い?怪しまれそうだな……剣士とでも言っておくか。


 

「俺は剣士のユウヤ。宜しくな」


「さっそくなんだけど大丈夫?」


 

は?大丈夫って何がだよ?魔物の討伐としか聞いてないんだけど?いきなりドラゴン討伐と言われても、実力を知らないこの女の子とパーティを組んで、討伐をしに行くのは不安しかないぞ?中級ドラゴンくらいなら……まぁ……俺一人で倒せるけど……女の子を守りながらはキツイぞ?


 

「良いけどさ……内容を聞いてないぞ?」


「あっ!ごめんなさい……えっと……ね……」


 

村を度々襲撃してくるゴブリンの討伐依頼を受けたらしい。討伐か~ゴブリンなら群れの殲滅でも余裕だな。さっきも討伐したしな。


 

「どうですか?お願いできます?」


 

なんで丁寧な喋り方になってるんだよ?さっきとは大違いじゃん。


 

「勿論、問題は無いぞ」


「失礼ですけど……ゴブリンの討伐の経験は、あるんですか?」


「さっきも、この町に来る時に数体を倒してきたぞ」


「えっ!?一人で……!?」


 

え?何で驚くんだよ!?ゴブリンだぞ?ザコのゴブリンだぞ?その驚きに、俺が驚くって!ビックリさせるなよ……超強いゴブリンでも投入されたかと思ったぞ。


 

「え?そんなに驚く事か?」


「ええ。ゴブリンは普通パーティ2、3人で組んで1体を2、3人で倒していくんですよ!見張りも付けておかないと囲まれるって聞きますし……」


「えぇ?あんなザコを2、3人で倒すの?」


 

鑑定スキルで周りの冒険者の基本ステータス見てみた……


うん。そうか……そういう事か納得した。周りで最高レベルで5で、目の前の少女はレベルが2だった。なるほど……それじゃ3人以上で倒さないとだよな。っていうか……ここ冒険者ギルドだよな?レベル低すぎじゃない?大丈夫なのか……ここのギルドは……

 

…………


……あ!思い出した!ここは、始まりの町って言われてる町だった。ゲームを始めると俺が気が目覚めた森からスタートしてレベル上げをして、この町に辿り着くんだよな……。かなり前の事だったから完全に忘れてたわ……懐かしいな~こんな街に、戻ってくる事は無かったしなぁ……出てくる魔物は最弱だし。低級アイテムしかドロップしないし……イベントも初級イベントしか無いしな。


 

「へぇ~強いんだねぇー」


 

あまり信用している感じの表情じゃなかったけど、お世辞でも可愛い女の子に褒められれば嬉しいよな……


 

「わたしと、パーティを組んでもらえますかぁ……?」


 

上目遣いで、お願いをされたので照れるっての!ゲームとはいえリアル過ぎる。この少女は、いわゆるモブだろ?ドキッ♡としちゃったじゃんかよ!やらないけどさ、つねったり叩いたりすれば痛がるし怒ったり泣いたり逃げたりするんだよな?多分、最悪は死ぬんだよな?それって……生きてるんじゃ?いや……モブなら何処かで生き返ってそうだけどな……確かめるつもりは無いけど。

 

それに、さっきは転んだ女の子は膝から血が出てたし。


 

「報酬は山分けで減っちゃいますけど……もう一人欲しいですね……でも二人でも大丈夫かなぁ……?」


 

いやいや……ゴブリンの討伐に3人は要らないだろ!せっかく可愛い子と二人で旅が出来るっていうのに……邪魔者は必要ない!


 

「大丈夫だろ?わざわざ報酬額を減らす事はないって」


「えぇ……でも心配だなぁ……ホントに強いの?同じ歳っぽいけど……」


 

あ、同じ歳に見えるのか……そっか設定で10代後半くらいに設定してたっけ……。初対面だし、そりゃ心配だよな……でも、ザコのゴブリンだぞ?俺の実力を見せれば良いんだろ?


 

「そっか……じゃあ近くの森でゴブリンを討伐してお互いの強さを見るってどうだ?」


「はい。それなら確認が出来て安心かもっ」

 

 

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