第5話 いざアンバー領へ!

「もう夜か...」


 親父からレイヤー領の外に出る許可を得た俺は、次の日の早朝から出かけることにした。手紙も出さずに家に行くのはどうなのかとは思うが、何とかなると信じてアンバー家の屋敷へ向かう。俺の横には専属メイドのマルオンもいる。


 隣の領に行くためには、長い山道を超えなければならない。しかもそこら中に魔物がいるのでかなり危ない。そんな道を一日中歩いてきたわけだが、


(さすがに疲れてきたな...)


 というわけだ。そのため今日はこの辺で野宿をしようと思っているのだが、絶対マルオンに反対される気がする。


「...んだよな?」


 ん?不意に知らない男の声が聞こえてきた。こんな夜に森で話すなんてちょっと怪しげだ。


「マルオン、ちょっと待っててくれ」


 俺は小声でメイドにそういうと、急いで先ほどの声の近くへ向かう。


「だが本当に大丈夫なのか?領民にどう思われるかは分からないんだぞ?」


 さっきの男の声だ。さらに、


「おいおい、あのラジェールだぞ?あいつの嫌われっぷりくらい知っているだろ?」


 別の男の声がする。どうやら会話しているようだ。


「そ、そうだな。なら、明日のこの時刻、ラジェール暗殺計画、実行だな。」


 最初の男が言った。いやいやいやいや!原作にこんな展開無かったぞ!!と思いながら腕時計を見る。午後10:30頃だ。明日は午後9時くらいから見張っておくか...


「気合を入れていくぞ。成功すれば依頼主のブレイド様から大金をもらえるからな。ちなみに、南側から攻めるんだよな?」


「ああ、そうだ」


 ん?ブレイド?あの小物の弟か?俺を邪魔するためか...って、俺が関与したからストーリーが変わったってことじゃねぇか!全く、...というかこのバカ二人組、俺がいるとも知らないで情報漏らし過ぎじゃね?


 いや、待てよ?これなら、...こいつらからラジェールを守ってあげれば、命を救う+性格を矯正できるんじゃないか?主人公とヒロインの出会い的に演じて。


「いい感じだな」


 その後、俺はマルオンの反対を押し切って森で野宿すると、明日の正午ごろにつくくらいのペースでアンバー家の屋敷目指して進んでいった。

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 一方、暗殺を試みていた男たちは...


 ランドが聞いた声の男たち...と、ブレイドが話をしている


「どうだ?ランドとやらにうその情報を流すことは出来たか?」


「完璧です。やはりブレイド様はさすがですな。完璧な計画まで用意してくださって」


 そう。男たちはランドの弟、ブレイドとその部下でランドとラジェールの暗殺を狙っていたのだ。


「俺はランドの相手をする。貴様らはラジェールを殺してこい。屋敷の北側から、正午にな」


「「「「はい!!」」」」


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 またまたその頃、レイヤー家の屋敷ではランドの親父と専属のメイドが話をしていた。


「ははは、実に気持ちが良いものだな、出来損ないの子供が死ぬというのは!!」


 まだ未確定事項だというのに、何を言っているんだろうか。メイドさんもそう思ったようだが、解雇が怖いので本当の気持ちは言わないことにしたようだ。


「そ、そうですね。しかし、あなたが送り込んだブレイド様が負ける可能性もあるのではないでしょうか」


「はははは、実に面白いことをいうではないか、そこの君。自慢の息子、ブレイドが負けることはまずないと思うが、もしものときのためだ。ランドあいつを確実に殺すための作戦は用意してあるよ」


 どうやらランドが秘策といって親父から許可を得れた理由は、親父が金に目がくらんだわけではなく、ランドの命を気付かれずに奪う方法を思い浮かんだからのようだった。


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どうも、底辺作者の、るのんです。


次回は戦闘回になりそうです。


少しでも良いと思ってもらえれば、♡、★3してもらえればとても嬉しいです!


また、誤字脱字、不可解な点があれば報告してもらえれば対処いたしますのでよろしくお願いします。


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