第21話:陸の告白。

「言ってよ・・・ねえ教えて?」


「いいじゃん、もう・・・そのうちね、そのうち・・・」


「誤魔化して・・

「ねえ、陸って好きな女の子がいるんじゃないの?」


「なに・・・いきなり・・・」


「メガネさんが陸はモテるからなって言ってたよ」


「あいつの言うことなんか真に受けちゃだめだよ」


「だって学校に迎えに行った時に朋美って子と仲よさそうだったし・・・」


「あはは、そんなこと、まだ気にしてたの?・・・」

「前にも言ったけど、あの子はただのガールフレンドだよ」

「それに・・・俺、他に好きな人いるもん・・・」


「え?、うそ・・・いるの?・・・好きな子」


「いるよ」


「うそ、ちょっとショック」

「いるんだ・・・好きな子・・・」

「それって?、やっぱり同級生の女の子?」


「違うよ・・・その子はね・・・特別・・・」

「その子は、ここから何万光年も離れた星から来たみたいだよ」

「それに、魔法も使えるんだって・・・」


「・・・え?」


「だからさ・・・そう言うこと・・・」

「さっきはね、俺はルフィアも大好きだし、この星も好きだって言ったんだよ」


「陸の好きな子って?・・・」


「俺のすぐそばにいる子だね」


「私?・・・うそ・・・私?」


「白状するけど、はじめて君を見たときから、ほんとはずっと好きだったんだ」

「ルフイアのこと、好きだって言うきっかけがなくて・・・」


「そう言うのってなにかきかっけでもないと照れ臭くて言えないだろ」

「それに家の中じゃ、お母さんがいたからね」


「本当?・・・私のこと忘れてたくせに?・・・」


「忘れてたんじゃなくて思い出せなかっただけだよ」


「それって同じだよ」


陸とルフィアは顔を見合わせて笑った。


「ねえ、ルフィア・・・もしって言いだしたらキリがないんだけど・・・」

「もし、ルフィアが地球に来なかったら・・・ 僕は君とは一生巡り会うこともなかったんだよね」


「この先の僕の生き方や運命だってきっと変わってたと思う」

「でも、今はルフィアがいない世界なんて考えられないんだ」


「最初は、たわいのない・・・約束ごと・・・って」

「って思ってたけど・・・ごめんね・・・でもその考えは間違ってることだって

気づいたんだ・・・」


「今はルフィアとの約束はとても大切なことだって思ってる・・・」


「私もそう思う」


「だから・・・私、ここに来て良かったんだよね」


「ああ・・・来てくれてよかった」

「俺、君になら心開けそうだ・・・」


そう言って陸はルフィアを引き寄せて優しく抱きしめた。


つづく。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る