第20話:三人でキャンプ。

それから一週間ほど経った頃、ルフィアは何か嫌な胸騒ぎがするようになった。

特に陸といると、それを余計強く感じた。

ルフィアに人一倍感度の強い予知能力を持っている。


何が起こるのかはルフィアにも、まだ分からなかっ たけれど、 その不安は

日増しに大きくなっていった。

なにかいけないことが起きるんじゃないかと心配した。

陸にそれとなく話したが、気のせいだと一笑された。


金曜日の夕方、陸とフフィアはメガネを誘って近所のキャンプ場にキャンプに

来ていた。

ルフィアはキャンプははじめてだった。

キャンプ場に行く前に食材を買いにスーパーに寄った。

あれこれ物色するのもルフィアには楽しかった。

と言ってもそんな本格的な食事を作れるほど陸もメガネもキャンプの経験は

浅かった。


まあ、簡単に言うと一番手っ取り早いバーベキューかな。

キャンプ場についた三人はテントを張らずにすぐ気の幹にもたれて休憩した。

キャンプ場の空気は澄んでいてすがすがしい。

すぐそばに川のせせらぎがあって、抜群のイオン効果だった。


キャンプ場へ来たものも・・・誰もテントを張ろうかって言わなかった。


「なあ、テント張る前に焚き火用のマキ集めしとかないか?」


陸がそう言うと


「そうだな・・・それはまあ必要だよな」


面倒くさそうにメガネが言った。


キャンプが珍しいルフィアは枯れ枝や枯れ木を集めたり焚き火の支度をしたりした。


結局、ルフィアはテントの貼り方を知らないから陸を急かした。

陸とメガネは重い腰をあげてテントをふたはり貼った。

もちろんひとつは陸とルフィアのぶん。


メガネはひとりでテントで寝ることになった。


「なんだよ・・・俺はおまえらのイチャイチャを見せつけられるために来たのか?」


「バカだな・・・こんなところで何しようってんだよ」

「イチャイチャなんかしないよ」


三人は予定どおりバーベキューをして腹一杯肉や野菜を食べて楽しんだ。


お腹がいっぱいになったメガネは、することがないので自分のテントで

寝転んでスマホのゲームをし始めた。

どこへ言ってもスマホは離せない年頃。


陸とルフィアはテントのそとで満点の星空を見あげていた。


「君の星はどのあたりに、あるんだろう」


「よく分かんないけど、あそこに光ってる星の抜こうあたりかな・・・」


「ここからは見えないくらい遠いところだよ・・・」

「距離は何万光年もあるけど、私たちは所々にあるワームホールを中継して

旅をするからね」

「前にも言ったけど私はその間、卵型のシールドに守られてここに来たんだよ」


そう言ってルフィアは釣り場の時と同じように首から下げてる小型のカプセルの

ようなものを陸に見せた。


「普段はこうしてカプセルに入ってるの・・・」


「うん、釣り場でも見せてくれたね・・・俺には想像もつかないや・・・」


「私の星は地球よりずっと文明が発達してるからね」

「でも、逆に地球のほうが自然がたくさんあって綺麗だって思うよ」


「私は、この星が好きだな・・・」


「僕もこの星が好きだよ・・・ルフィアも同じくらい好きだよ」


「え?・・・なって言ったの?」


「ああ・・・聞こえなかったのならいい・・・」


「え〜・・・なんて言ったの?」


「その髪型よく似合ってるよって言ったんだよ」


「・・・・・・」

「違うでしょ」


「同じこと2回も言えないよ」


「言ってよ・・・ねえ言って・・・なってったの?陸」


つづく。


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