第16話:吉本 栞。(よしもと しおり)
「東高円寺君の言ってることも分かるな・・・」
「陸はショートとが好きだってメガネさんが・・・」
「うん、たしかにそうね・・・」
「陸の部屋のポスターの人もショートカットが似合う綺麗な人でした」
「ああ、
「そっか・・・髪を切るって・・・もしかして陸のため?」
ルフィアは照れた。
「陸も案外、普通の男の子だよね」
「芸能人に好きな子がいるなんてね・・・」
「吉本 栞さん・・・可愛いしね・・・陸が夢中になっても不思議じゃないかな」
「吉本さんの髪型、ベリーショートっていうのかな・・・」
「彼女みたいにしたいの?」
「って思ってるんですけど・・・」
「じゃあ写真持って行って吉本さんみたいな髪型にしてもらいなさい」
「陸の部屋から写真探して持ってきてあげるから・・・」
真由美さんは、もうルフィアは髪を切ることを決めたものと思っていた。
「あの・・・まだ切るかどうか迷ってるんですけど・・・」
「え?あ〜そうね・・・私ったら」
「ルフィアならショートもきっと似合うと思って・・・」
「私に切るかどうか相談してるのなら、切った方がいいかな、って思うわね・・・」
「私は自分の髪が長いくせに人に切っちゃえって言うのはおかしいかも
しれないけどね」
「東高円寺君の言うように、ルフィアはおさげよりはショートのほうが似合うと
思うよ・・・」
「切っちゃった後で、え〜って思う時もあるけど・・・」
「どうせ髪なんてすぐに伸びるでしょ」
「真由美さん、メガネさんと同じこと言ってる」
「あはは・・・みんな考えることは同じみたいね」
「うん!!」
「決めました・・・私、髪切ります」
「そう、じゃ〜いいお店、紹介してあげるわね」
ルフィアは、真由美さんが行きつけにしてる美容室を紹介してもらった。
「美容室の場所、その地図で分かるかな・・・車で送ってあげえなくてもいい?」
「大丈夫です・・・私、方向音痴じゃないんで・・・」
「あなたのほうが車より早いもんね」
真由美さんが陸の部屋から持ってきてくれた吉本栞の写真と美容室の
場所を描いたメモをポシェットに入れてルフィアは山を降りていった。
家を出たルフィアはすぐにでも空を飛んで行こうと思ったが、
少し森や林を散策しながら歩こうと思った。
誰ともすれ違うことのない寂しい道。
夜は明かりすらない。
(こんな道を陸は毎日自転車で帰って来てるんだ・・・)
(昼間はまだいいけど夜は怖いよね・・・)
ルフィアは幽霊とかお化けは信じなかったが、それでも夜のこの道は
歩きたくないなって思った。
(やっぱり陸が学校から帰って来る時は迎えに行かなきゃね)
(陸といっしょなら怖くないから・・・)
つづく。
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