ハートの惑星。☆星の魔法使い☆

第12話：街への買い物と陸の学校。

「俺やっぱり、おまえらの言ってること信じるよ・・・」

メガネはとりあえず信じる気になった。

「世の中には科学なんかじゃ説明つかない不思議なことってあるんだ」

「ルフィアが魔法使いってことも信じる」

「まあ、メガネに話すことはそんなもんかな・・・」

「さてと・・・魚も一匹も釣れないし・・・帰るか」

そう言って陸は立ち上がった。

「そうだな、家に帰ってゲームでもやってたほうがましだな」

メガネが相づちを打った。

「ルフィア、帰ろう」

陸がルフィアの手を引いてそう言った。

陸とメガネは釣り道具を片付けて帰る支度をしながらふと宙を見た。

宙に浮いてるルフィアがいた。

浮いてるルフィアを見てメガネが言った。

「ほあ〜〜〜ほんとだ・・・やっぱり魔法使いなんだ・・・宙に浮いてるし・・・」

「あ、パンツ見えてる・・・」

「おまえ、どこ見てんだよ、デリカシーないぞ」

「あれは昔のヨーロッパの女性が履いてたようなやつだよ・・・」

「あ〜そうだな、かぼちゃパンツだな」

陸とメガネは自転車で、ルフィアは空を飛んで陸の家に帰った。

メガネは夕方まで陸の家でゲームに夢中になって暗くなる前に自転車で

帰って行った。

次の朝、月曜日・・・陸は学校に出かけた。

「今日は陸は学校」

「一昨日、昨日は、土・日で学校がお休みだったから、ルフィアが来た時、

陸が家にいる時でよかったね 」

真由美さんがそう言った。

ルフィアもそのほうがいいと思って陸が休みの日を選んだ。

真由美さんによれば 陸はここから町の高校に30分以上かけて自転車で通ってる

って話だった。

そのかわり帰りは、ほぼ上り坂なので家に帰ってくるまで1時間かかった。

道路は舗装されていたが、曲がりくねっていて道幅も普通車一台分しかなかった。

陸が学校へ行ってる間に真由美さんはルフィアを連れて車に乗って街へ

買い物に降りた。

これから地球で暮らすルフィアのために洋服を買いに出かけたのだ。

その途中、陸の学校の前を通った。

「ここが陸が通ってる学校」

ルフィアは学校の場所を覚えた。

(学校が終わる頃を見計らって陸を迎えに行ってみよう)

すでにルフィアの中では、学校に行くことは、もう決 まっていた。

そこから駅に回って、ロータリーの途中から路地に入ると「猫のパン屋さん」

ってパン屋さんがあって、真由美さんは朝食用にいつもこの店で食パンを

買っていた。

買い物を済ませ真由美さんと家に帰ってきたルフィアは、真由美さんに

陸の学校へ行くことを告げると夕方、ひとりで陸の学校へ出かけた。

「裏門で待ってたら生徒がぞろぞろ出てくるか ら・・・」

って真由美さんが教えてくれた。

学校の上空に到着したルフィアはなるべく人気のない場所に降り立った。

校舎には入らず、生徒が出てくる裏門で陸を待った。

しばらくすると他の生徒に混じって校舎から自転車を押して出てくる

メガネが見えた。

ルフィアは自分がここにいることを彼にアピールしようと 「メガネさ〜ん」

って言って大きめに手を振った。

メガネはすぐ気がついた。

「お〜ルフィア・・・陸を迎えにきたの?」

「うん」

「可愛いからすぐ分かった・・・」

「褒めても、何も出ないよ」

「褒めてなくて・・・僕は真実を述べてるだけなのだ」

メガネの横を他の生徒たちが通って行く時、意味ありげにルフィアを見て行った。

「陸、今日はちょっと遅いと思うよ・・・」

「いい、待ってる・・・」

「そう・・・じゃ、俺先に帰るから」

そう言って帰ろうとしたメガネがなにかを思いついたように振り向いて

ルフィアに言った。

つづく。