第2話
赤黒い雷を纏いながらにリヴァイアスは駆けだす
「さーて、獲物はどこだァ!?その身を破壊してやんよォ!」
リヴァイアスは龍の力を解放すると口調が荒くなる、これは内に秘めたる龍の力が強すぎるがためにリヴァイアス自身にも影響を及ぼすのだ
森の中を走り目標を追うこと数分遂に目標を見つける
「グルルァ!」
見た目は狼だが纏う雰囲気は普通の狼のそれとは違う
「よォよォ、てめぇが特殊個体だなァ?さっさとかかってこいよォすぐにぶっ潰してやんよ!」
リヴァイアスの挑発を受け激昂した魔物はリヴァイアス向けて一心不乱に突っ込んでくる
「スピードはそこそこ、パワーは見た目以上ってとこだが、ちと妙だな」
普通魔物とは見つけた生物を見境なく殺して回るほど好戦的だ、だがこの狼はほかの魔物とは違い、どこか苦しんでいるようなそんな気がした
「ガァァ!」
「ふん、暴れるのが本望じゃねぇなら一撃で葬ってやるよ!龍気解放『ディストーション』!」
リヴァイアスの手から放たれるは一筋の閃光それに秘めたるエネルギーは底知れず、触れたものを例外なく滅する
それに直撃した狼は全てを悟り目を瞑る
狼が消滅し、微風が吹くその風の中に
『人の子よ、解放してくれてありがとうございました』
確かにそう聞こえた、そこでリヴァイアスは過去に見た文献の中にあったことを思い出す
「『人語を話す動物それはすなわち聖獣なり、聖獣が彼の地に現れる時平穏な世界の終わりが訪れん』確か文献にはこう書かれてたはず」
色々と考えいると
「ワン!」
犬のような鳴き声が聞こえた
「ん?」
すると足元にはさっきの狼をそのまま縮小化したみたいな狼がリヴァイアスの足に頭を擦り付けていた
「これって絶てぇ、あの狼の家族か転生体だな。国に預けたらやばいことが起きそうだしなぁ。仕方ない!俺が世話すっかぁ」
「ワン!」
足元にいる狼は返事をするように鳴いた
「ところで名前どうすっかな?」
そこで足元を見るとキラキラとした目でこちらを見つめている
「うーん...むかしシルフィにネーミングセンスが無さすぎて怒られたこともあるし、自信ないのよねぇ」
「ワウゥ...」
寂しそうな声を漏らす狼
「すまんすまん、今考えるからちと待っててくれよ?」
リヴァイアスはその子をじっと観察する
その狼の毛色は純白、目は翡翠を思わせる碧色だ。その見た目はまるで御伽噺に出てくるフェンリルそのものであった
「ひとつ聞いていいか?」
「アウ?」
狼は首を傾げる
「お前の種族ってもしかしてフェンリルか?」
そう聞くと
「ワン!」
そうだと言わんばかりに頷き鳴く
「あー、そしたらリルってのはどうだ?少し安直過ぎたか?」
「ワンワン!」
どうやらリルという名前に満足したのか足元を何周も回る
「それじゃリル、これからよろしくな!」
リヴァイアスは昔から動物好きなのである、それも小動物がめっぽう好きなのだ。だからリヴァイアスの内心はめちゃくちゃ盛り上がっているのである
『リー君終わった?』
ちょうどいいタイミングでシルフィから通信が入る
「特殊個体は倒したんだが、新しい問題が生じた」
『え?なになに?』
新しい問題と聞き興味津々な様子なシルフィ
「説明したい気持ちは山々だが、ここでは説明できない、なんなら国家機密になり得る可能性が高いからな。」
『え!?何しでかしたの!?』
とても驚いた様子で反応してくる
「とりあえず王様に報告に行くから、シルフィも着いてきてくれ」
『何がなんだか分からないけどわかったよ!あっそれと私とリー君パーティー抜けるって言っといたよ!』
とんでもない爆弾発言をしてくるシルフィ
「はぁ?マジで?」
『マジマジ、大マジだよ!』
リヴァイアスはこれから起こりうる出来事を想像し頭を抱える
「まぁ、そろそろ本名で活動しようと思ってたしいいっか、ともかくこれからの日常はうるさくなりそうだ。だが楽しみだ」
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