6章-2.―――――― 2022.12.24
時間で言えば30分程度。俺は待った。すると建物の中からぞろぞろと男たちが出てきた。何の警戒もせず楽し気に談笑しながら歩いてくる。俺は静かに彼らの前に姿を現した。そして行く手を塞ぐ。
「は? お前なんなんだよ。邪魔だ退け」
「せっかくこちらから出向いてやったのに。そんな言い方はあんまりじゃないか?」
「あ?」
俺は一番手前にいた男の首を、手に持っていた大鎌で刎ね飛ばした。
「分からないか? 俺が10億の男だ」
俺は床に転がった男の生首を蹴り飛ばした。サッカーボールのように軽快に飛んでいく様を見て、俺はニヤリと笑った。俺は大鎌を回転させて、刃に付いた血液を振り払う。その血液は男達に勢いよく降りかかったようだった。
「お、おい。今の動き見えたか……?」
「いや……え?」
困惑している男たちに俺は1歩1歩近づいた。
「おいおい。俺を殺して10億を手に入れるって意気込んでいたじゃないか。どうした?」
「店長!! 俺はこんなの聞いてない! 抜けさせてもらう!」
「おい! 待てナツメ!」
俺は逃げ出した男との距離を瞬時に詰め、一気に大鎌を振り下ろし背中に深く傷を付けた。すぐには死ねないだろうが、動くことはできないだろう。
「いやいやいや、逃げないでくれよ。人を殺そうとしておいて逃げるなんて酷いじゃないか」
俺はうつ伏せに倒れ痛みにもだえ苦しむ男の両足首を切断した。男は一際大きな叫び声をあげて痛みにもがき苦しんだ。
「店長。どうなってんだよ。10億の男は逃げるのが上手いだけで戦えないんじゃ……」
「情報ではその通りだった! 戦闘能力は無いと手配書にはあった!」
「じゃぁ、何故あいつは軽々殺してんだよっ!! 一般人が殺し屋相手にそんな事出来るわけ……」
「知らないっ!! 分かるわけないだろっ!!」
店主と残された男3人は、滑稽な程慌てふためいている。
「なぁ。お喋りはそれくらいにしたらどうだ。これは殺し合いだろ? そっちにはまだ3人殺し屋がいるんだから、3人で頑張って向かって来ればいいじゃないか」
俺の言葉を聞いて、男達はようやくやる気になってくれたようだ。武器を構えて一斉に俺へ向かってきたのだった。
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