第8話 桜花黒紅とキュイ

クロノファミリー

ゼオ(27) ハンド(27) レイカ(26) マスター(?)


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ゼオ「ほぁぁ、綺麗だなぁあの桜!!」


ハンド「お前横顔壊れてんな」


ゼオ「それ今言う必要ある!?ってか壊れてるって何!?」



水辺は浅く深くても膝ぐらいだった

俺たちはその桜の木の下まで行った

サイレントキーパーさんは静かにデカい木の下に座ってボーッとしてる

その側でルーマは蝶々に喧嘩を売っていた



ゼオ「よし、じゃあ箱あけるよ?」


ハンド「あぁ」


レイカ「なんか緊張するね!」


ゼオ「、、、開けていい?」


ハンド「はよ開けろ」



俺は箱を開け刀を取り出した



レイカ「やっぱり綺麗な刀だねぇ」


ハンド「本当だな」


ゼオ「、、、」


レイカ「どうしたの?」


ゼオ「この刀本当にここに置いて行っていいのかな?」


ハンド「?」


レイカ「どうゆうこと?」


ゼオ「ん〜わかんない!」


ハンド「なんだそりゃ」



俺は桜の樹の下に刀を置き小島から離れた

そこから離れようと思い最後にもう一度この景色目に焼き付けておこうと振り返った、、、


ーーーーーーーーーーー



ハンド「ふぅ、、やっと森の出口だな!」


キーパー「ゴォゴォ」


レイカ「この子帰りまで案内してくれたね!」


ゼオ「こいつはなんでまた俺のケツ噛み付いてるの?」


ルーマ「キュッキュッ!」



サイレントキーパーに案内され森の出口までやってきた

何故かケツにはまたルーマが噛み付いていやがる



ハンド「本当に良かったのか?それ」


レイカ「クルブシのおっちゃん怒るかな?」


ハンド「どうかなぁ、、、」


ゼオ「でもあの時置いて行っちゃいけないとゆうか悲しそうとゆうかなんてゆうかなぁ?」


レイカ「この刀がゼオに何か伝えようとしたのかな?」


ゼオ「それもわかんないけど、、、」



俺の右手には黒く赤い刀が一本握られていた

あの時後ろを振り向くと

『君の力になりたい、連れて行って』

そう聞こえた気がしたんだ



ゼオ「決めたぞ!俺の武器はこれにする!!」


ハンド「お前はまた勝手な事を、、、」


レイカ「私はありだと思うけどね?」


ゼオ「実際持ち主いないんだから問題なくね?クルブシのおっさんだって手放したようなもんでしょ?」


ハンド「手放したとゆうかこの刀のあるべき場所を探していたような感じだろ?」


ゼオ「じゃぁその場所は俺ってことでぉけ?」


ハンド「ぉけ?じゃねーよハゲ」


ゼオ「ちょっと待て、ハゲてないぞ?俺はハゲていないぞ?え?ハゲてないよねレイカ?」


レイカ「あっはっはっはっは!!!」


ゼオ「なーにわらってんねぇぇぇぇぇんんんん!!!ハゲてないもーーーーんんんん!!!」



俺達はもう一度クルブシの武器屋に訪れた

そしてクルブシに事の経緯を話した



クルブシ「なるほどだしねぇ、、、」


ハンド「クルブシさんは聞こえたりするんですか?武器の声的な何かが」


クルブシ「しょっちゅう聞こえてるだしよ?」


ハンド「あぁそんな喋るんだ武器って」


クルブシ「んまぁ〜ハッキリと語りかけてくるってわけじゃないだしよ?表情みたいなもんだしね」


レイカ「表情?」


クルブシ「疲れ切った武器、まだまだ使って欲しい武器等素人から見れば何ら変わらないが私たち武器屋からしたら全然違うだし」


ゼオ「俺がこの武器から聞こえた言葉は?」


クルブシ「時に武器は人に話しかける事があるだし、滅多にはないだしよ?余程君が気に入ったのかもしれないだしねぇ」


ゼオ「でも俺ただ運んだだけだけどなぁ?」


クルブシ「何がキッカケかは分からないだし、その武器は君が使うといいだしよ」


ゼオ「っしゃぁ!武器ゲットォォ!!」


レイカ「良かったねゼオ!」


クルブシ「何か名前をつけてやったらどうだし?」


ゼオ「名前?んー、、、」



黒く赤い刀、あの桜の樹の下よく似合っていたなぁ



ゼオ「『桜花黒紅』なんてどう?」


ハンド「いいんじゃないか?」


レイカ「ついでにそのお尻に噛みついてる子の名前も決めちゃったら?」


ゼオ「お前はいつまで噛んでんだおらぁぁぁ!!」


ルーマ「きゅっぴー!!」


ゼオ「お前の名前なんざ『おし◯かじ◯虫』だ!!」



刀の名前は『桜花黒紅』

尻から離れないこのバカモンスターは『キュイ』って名前になっていた

提案者は何故かクルブシのおっちゃんだ



クルブシ「ゼオ、もしかしたらその刀は多くの人を殺めてしまったから今度は多くの命を救いたいんじゃないかだし?その刀が昔の主人の胸を突いた時まるで泣いているように見えたって話だしよ」



ゼオ「でもそれなら俺じゃなくてもっと善良の人の方がいいんじゃないか?」


ハンド「確かに、こんなバカでアホでマヌケハゲよりそっちの方がいいだろうな」


ゼオ「喧嘩売ってんのかおぉん?」


クルブシ「どうしてかはこの刀しかわからないだしけどきっと何かに惹かれただしね!」


ゼオ「そうなんかねぇ、、、」



俺達は翌日の朝にクルブシのおっさんと別れてクロノファミリーへ戻る事にした

依頼報酬も貰えたし武器も手に入ったし最高なクエストじゃないか!

うふふっ俺の武器だぁ、いっぱい可愛いがるからねぇぐへへへへへ


心なしか桜花黒紅が引いてるように見えた

一向に構わんがな



クロノファミリーへ着くともう日は落ちていた



ゼオ「ただいまぁー!みてみてマスター!俺の愛刀!『桜花黒紅』って言うんだぁ!!」


ハンド「マスター今戻りました」


レイカ「たっだいまー!」


マスター「おぉ!お前たちお帰り!」


エナ「や、やっと帰ってきたぁ〜久々に動いたから腰がいっちまった、、、」


マスター「やはりゼオの元へいったかその刀!」


ハンド「マスターは昔ギルド抗争に参加していたんですね?」


マスター「あぁクルブシから聞いたか、、、まだその話は後だ!ゼオその尻にかじりついてるやつはなんだ?」


ゼオ「俺のケツが家だと思ってるバカです」


マスター「飼い主に似るからな!」


ゼオ「マスター?」


マスター「まぁ折角だしこのギルドで飼うとしよう!」


ゼオ「モンスターを飼うとかあるの?」


マスター「知らん!!」


ゼオ「マスター?」


マスター「兎に角お疲れ様会だ!呑むぞ!」


皆んな「おぉー!!!」


エナ「へっへっへ、しこたま呑み漁ってやるわいね」


ゼオ「どうせまた二日酔いになるんだろ」


ハンド「ここ留守になるけど大丈夫ですか?」


マスター「知らん!!」


ゼオ、ハンド「マスター?」


レイカ「お腹も空いたし早く行こう!!」



俺たちはまたいつもの酒場へ行きバカになる程呑みまくった



エナ「ゼオォォ、お前の耳綺麗だからピアス開けようぜぇ〜」


ゼオ「オーケーオーケー!耳なくなるまでピアスだらけにしちゃおぅ〜」


エナ、ゼオ「でっへっへっへっへ!!」


ハンド「おーい後悔って言う埋まらない穴が出来るからやめとけバカ2人」


マスター「はっはっは!!賑やかでよしよし!」


レイカ「アルコールが染み渡るよぉー!!!」


ハンド「マスター、今回こうなるってわかってて俺たちを行かせたんですか?」


マスター「んん〜?んーっどうだと思う?」


レイカ「マスターって結構謎に包まれたミステリーウーマンですよねぇ?」


マスター「ミステリアスな女のが魅力あるだろ?」


レイカ「勉強になりやす!!」


ハンド「マスター、バカ2人が潰れました。道のど真ん中で」


客「おわっと!なんでこんなとこで寝てんだ!?」


エナ「私達をどかしたくばー!!」


ゼオ「通貨料としてパンツ置いていきなぁ!!」


客「な、なんでパンツ?」


エナ「パンツの先にある栄光を!この手に!!」


ゼオ「目指せパンツ泥棒!!!!」


マスター「ハンド、レイカそのバカ達頼む!帰るぞ!」


ハンド、レイカ「はーい」



翌朝言うまでもないが二日酔いになった

フラフラしながらギルドへ向かった



ゼオ「おはよろろろろろろろ」


ハンド「もう吐くの分かってたからな、バケツ沢山用意してやったわたわけ」


ゼオ「ばみがとぉ〜」



マスター「ゼオ!ちょっと私の部屋までこい!」


ゼオ「うぇ?」




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