第25話 数が多いと手間がかかる
Sランク、か。
「それは俺をバケモノ呼ばわりするって宣言でいいんだよな?」
「はい。そう言いました。街を滅ぼすような方を放ってはおけませんから。」
仰る通り。確かSランクは災害と同義だったか。
いいね。俺はまさに災害だろう。正しい評価は歓迎されるべきことだ。
「ハハッ!面白い。俺がどんなやつか知った上で強く出れる上に、その判断の早さ、正確さは賞賛に値する。で?Sランクになれば不都合なことはあるのか?」
「いいえ、特には。ただ、依頼は基本的にありません。Sランクレベルの依頼なんて国が滅ぶぐらいですから。その点はギルドから定期的に報酬がでます。Sランクでいてくれてありがとう、って事です。」
依頼がないのか。それはちょっとした楽しみが無くなるな。
「魔石や素材の買取に制限はつくのか?」
「ありませんが、ギルド的に乱獲は控えていただけるとありがたいです。」
話を聞く限りでは、メリットがデメリットを打ち消している状態だな。定期報酬は、もしかしたら堕落させる狙いがあるかも?
俺的には受けてもいいが、問題は隣でイヤイヤオーラ全開のネコだな。そんなに嫌か。お前に関しては不都合無いだろ。あぁ、俺と一緒に依頼を受けれないことか。
あ。
「Sランクの話は受けてもいい。」
そう言うとネコがすごい勢いでこっちを見てきた。そしてブンブン首を横に振っている。首千切れるぞ。
「但し、条件がある。」
今度は統括が凄い勢いでこっちを見てきた。何を言われるか緊張していることが丸分かりだ。
「何、簡単な話だ。シャスをAランクにしろ。そうすれば俺はSランクになってやろう。」
2人とも訳が分からないといった顔だ。
「統括は俺をSランクにしたい。シャスは俺と一緒に依頼を受けたい、違うか?」
首が縦に振られた。びっくりしたような表情で。こんなときシャスはアネモネだったころに若干戻っている気がする。
「3人の要求を同時に叶えるにはどうすればいいか?簡単、シャスがAにあがればいい。そうすれば、俺はシャスの依頼についていって退屈しなくてよくなるし、シャスは俺と一緒に戦えるし、統括は俺をSランクにあげられて、おまけに俺が暇すぎて暴れることも防げる。効果は知らん。Aランクぐらいなら冒険者も魔物もそこそこ強いはずだろ?シャスはそれぐらいの実力はあるぜ。俺が保証する。」
「分かりました。条件をのみましょう。」
やはり早いな。ちゃんとこの条件が安く済むことを瞬時に理解できてるみたいだ。
例の魔法具が統括室にもあるらしく、俺とシャスは統括に冒険者証を渡す。ちなみにシャスはご機嫌オーラを振りまいている。統括よ、気にするな。ほっといていいぞ。
「これでレイさんはS、シャスさんはAとなりました。新たなSランクの誕生はかなり重要であるため、認定処理と同時に各国中枢、ギルド本部、各支部に通達させていただきました。また、冒険者向けのお知らせもすぐに張り出されます。レイさんお名前は公表されませんが、2つ名の『秘天』は公表されますので、ご了承ください。」
俺達は冒険者証を受け取った。俺のにはS、シャスのにはAと刻まれてある。2つ名?無視以外の選択肢があるとでも?
じゃ、次。
「それじゃあ、2件目を聞こうか。」
「流石。お忘れではありませんでしたか。」
隣のネコはあっ、ってなりましたが。
「2件目は冒険者ギルドからの正式な依頼となります。SランクのレイさんとAランクのシャスさんに。」
依頼?ランクを言うってことはまさか面倒な事案なのか?
うぁ、嫌だなぁー。
「この依頼は簡潔に言うと王都のゴミ掃除です。」
「なにその話詳しく聞かせろさぁ早く!」
おっと思わず早口になってしまった。食いつきが早すぎる。自重せねば。だが、統括が直接依頼してくるぐらいのゴミ掃除だ。きっと面白いはず。
「あぁ、レイさんからだと面白そうな話になるのですか。」
ほら、統括が苦笑してるぜ。
「まぁな。で、どういうことだ?まさかそのへんのゴミ拾いをしろとは言わないだろ。」
「もちろんです。お2人は『バーブリザム』と言う言葉を聞いたとことはありますか?」
なんだそれ。地名っぽい名前だが・・・・・・。
「俺は聞いたとこと無いな。シャスは?」
「いえ、私も聞いたことありません。」
「そうですか。バーブリザムは王国で有名な犯罪者集団です。構成員大半が重犯罪者、元囚人、脱獄者のどれかで、王国に恨みを抱いているとか。」
「つまりチンピラの集まりと。それを俺達に?」
「はい。言っておきますが、王国では長年頭を悩ませる問題なんですよ。戦える者が非常に多く、規模も大きいためなかなか解決していません。下っ端なら警邏でも捕らえることができますが、幹部クラスともなると騎士数名が連携してやっとの相手です。それをチンピラ呼びできるのはレイさんかもう1人のSランクの方ぐらいですよ。ちなみに一般的な騎士でB~Dランクぐらい、団長レベルならAと言ったところです。」
ふーん。成る程ね。やっぱただのチンピラか。ただちょっと気になるな。
「規模が大きいってどれくらいだ?」
「ざっと1000は下らないかと。」
あー。そりゃ手こずる訳だ。そんなにいたらキリがない。
「期限は設けません。達成条件は王都の構成員を全て洗い出すこと。殺しても構いません。ただ、幹部らしき人物を数人は捕獲していただきたいのです。」
「殺してもいいのか?」
「はい。バーブリザムは組織ごと指名手配されており、騎士、警邏にも許可が下りております。ギルドにも厳選して人物にのみ許可を与えていいことになっています。私がこの場で指名します。よって問題ありません。SランクとAランクのコンビなら余裕ですよね?」
「・・・・・・いいだろう。依頼を受けよう。一匹残らず消してやる。ただ、以来達成後に来た構成員については知らんぞ?」
「もちろんです。ただ、後のことを考えて幹部級数名と重要書類は確保していただきたいのです。ではこの依頼書にサインを。」
俺とシャスの2人分のサインを確認し統括が印を押す。
「これで正式に受理されました。本日はありがとうございました。依頼の件で何かあれば、受付でお名前を言っていただければすぐここに通すようにしておきます。では依頼、よろしくお願いします。」
「おーう。」
俺は結界を解除し部屋を出て行く。俺は歩きながら適当に手を振って、シャスは浅く一礼してから。
さて、ゴミは然るべき方法で処理しないとな。
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【あとがき】
ゴミはゴミ箱にシュート!
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