第2話 検証と初遭遇

「あーあ。」


目の前に広がる一面の焦土。うん、仕方ないね。



〈少し遡り〉


さて、まずは魔法の検証からだな。今のところ使えるのは火、水、風、土、光、闇、空間、時の八属性。うち、水と土はさっき使ったから残りを使ってみよう。というか


「これ、物語みたいと思って気にならなかったけど普通に物理ガン無視だよな。」


どう考えてもおかしい。水がなにも無いところからでたりして、質量保存の法則とかが息してない。となると考えられるのは


1.この世界は元いた世界と物理法則が全く違う

この可能性は十分あり得る。肯定できないし、否定もできないつまり証明不可能。


2.基本的には同じで法則が追加されている

これもあり得る。肯定できないし、否定もできない(ry


3.物理法則は全く同じで、元の世界にはない物質等がある

これもあり得る。肯定(ry


4.単純に俺が⑨

・・・無いと信じたい。


まぁ、この辺は検証しようがないからな・・・。幸い体内の魔力らしきものは掴めてるし、さっき魔法を使ったときの感覚が残っているから魔法のイメージもできる。そう言えばなぜさっきは感覚なしで魔法が、いや今はいい。先に使ってみよう。まずは火属性から、だいたいバスケットボールくらいの球状でいいか。


そう思って魔力を込めた瞬間

一気に赤い球状のものが膨らみ、慌てて投げて気づいたときにはもう遅かった。




〈2話初めに戻る〉


「これはひどい。」


けっこうな範囲を焼かれていた。だいたい学校の体育館ぐらいか?元々あった緑の草が今や黒に近づいた色に変わっていて景観が台無しだ。元の世界でやるととんでもない大事になるだろうな。間違いなく。誰がやったんだこんなこと。


「何でだ?水を出したときはイメージ通りの量だったのに・・・。」


何か見落としていることがある?だが、その話を始めると魔力の話から始めなければならない。そもそもとして俺は魔力の扱い方については全く意識していない。これに関してはスマホをさわった直後にぼーっとしていたときに常識のような扱いで刷り込まれている。

他には、捉え方の問題?これに関しても分からないことだらけだ。ここに来たことだって、能力のことだってほとんど分からない。言ってしまえば、『能力』という呼び方だって、俺が勝手に呼んでいるだけに過ぎない。本当は全く違うものかもしれない。

いずれにせよ


「検証できないようなら何も言えないな。解明したくはあるが・・・。仕方ない。とりあえず手をつけられるところからだ。」


他の属性も試してみるか・・・。



結果。

火属性以外は自由に使えた。なぜか火属性だけアウト。具体的には急に大きくなったり、

制御がきかなくなったり、爆発したり、爆発したり、爆発したり。下せぬ。


「ただ、収穫もあった。俺が火属性を使うと辺りを燃やしたり、爆発したりして滅茶苦茶にしようとするらしい。それでもマッチの火ぐらいなら影響はない。ついうっかり力みましたは洒落にならないな。」


なぜ爆発する割合が高いのやら?


火属性以外をみるとなかなか優秀で特に空間属性と時属性はすごく便利だ。空間属性はアイテムボックスを出せたり、その辺を切ったり、転移したり。実際50メートルぐらい先に転移できた。時属性は、イメージ通り時間を止めれた。これがかなり優秀で、感覚でしかないが対象を指定してピンポイントで時間停止っていうこともできた、と思う。





一応、魔法括り以外の能力を試してみた。ただこちらに関しては頭に浮かんでくる字面が全て感がすごい。今試せそうなのは『飛翔』、『創造』、あと『再生』ぐらいか?まぁやってみるか。


結果

『飛翔』・・・空飛べた。魔力消費はそこまで。

『創造』・・・使おうとした瞬間立ち眩みがしたのでなし。

『再生』・・・何を?

ただでさえ試せる数が少ないのにこれじゃあお手上げだな。『飛翔』が使い物になると分かったことが収穫か?というか魔法以外も魔力を消費するんだな。確かに魔法に分類できるのはできそうな気はするが、俺が分類した基準として『~属性』ってついてるかどうかで分けたが、正しくない感はある。

そうやって永遠と悩んでいると、何かのうなり声がした。


「ん?」


後ろだいたい30メートルには熊がいた。正確には熊のような何か。俺はその答えに自然とたどり着いた


「そっか。魔法があるなら魔物がいてもおかしくないよな。」


その熊は涎をたらして突進して来る。よほど俺を食べたいらしい。だが、先ほどの検証で自分にできることは把握している。左手を前に突き出しイメージを持つ。魔力が集まり水でできた槍が打ち出されるイメージを。

熊があと5メートル程に接近した時、俺はイメージ通りに槍を放つ。水の槍は目視できるスピードで飛んでいきまっすぐ熊に命中した。結果熊は口あたりからしっぽまできれいな穴があいた。少し違和感。


「ふぅ。」


自分の魔法を発動できたことに安堵しつつ、気になったことを確かめるため、熊の死骸に近づく。近くに、光る石があった。これが魔石か?回収しつつ死骸を観察する。やはり、


「こいつの皮、分厚いな。これに肉までとなるとあのスピードの槍、しかも水でできている槍がまっすぐ貫けるのか?」


おそらくできないだろう。あの時込められた魔力は少なかったとはずだ。となると、何か別の要素があって、それが威力を高めているとしたら、


「これはやばいな。これが俺だけでも、普通レベルだとしてもどちらでもバランス終わってる。」







自分にここまでに力を与えた何かがいるとしたら、ソイツは一体何をさせたいのやら。


















・・・この熊、どうしようか?










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気の向くままの異世界旅 方夜虹縷 @houya523

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