第2話 現状
「状況の確認をしよう。」
何かあったらとりあえず確認。鉄則だな。
まず名前、覚えてるな。年齢も大丈夫。15才の高校生だ。で俺は通学途中だった筈だが・・・。
「何処だここ。」
まぁ間違いなく通学途中ではないな。コンクリの道路はなければ、周囲は草原。と言うか周り草しかない。空は青色。よく見れば森っぽいものはあるが、それも一方向かつ遠そうだ。
「うーん?とりあえず仮定、異世界。」
普段から俺はラノベを読み込んでいる方だと思いたい。当然こういうシチュの作品も読んだことある。
「じゃあ次。」
服装は制服。所持品は高校の鞄。その中にいろいろ。うん、このくらい。
「かなり詰みかな。」
お分かりだろうか。周りは草原。神だとか召喚だとかで誰かに会ってすらいないので前知識なし。当てなし。再確認、うん。夢だかなんだかじゃない限り詰んでるね。
それでも
笑みが浮かぶ。笑う。嗤う。わらう
いいじゃないか。上等だ。
最近はラノベにも飽きてきたところだ。ちょうど新しい趣味を探していたところ。これはいい。
まぁなるようになるさ。死んだら運が悪かったってことで。昔から不運はずっと付いてきていたしな。
「図らずも趣味ゲット。」
趣味としていいのかどうかは捨てるとしよう。
◇
さてと。
この状況で役に立つのはやはりラノベだろう。飽きたとはいえ最近のこと。それなりに覚えている。確か某ラノベはスマホに知識があったな。
「知識じゃなくてもなにかしらあってくれよ・・・。」
スマホを取り出し電源を入れる。そこには見慣れた壁紙がある。
少し待つ
10秒・・・、20秒・・・、
1分がたった。何も起きない。
「まぁそう都合良くはいかないよな。」
目を離し電源を切る。鞄に入れる。手を出す。
目に映るのは草の地面と赤い液体。
俺は膝をついて血を吐いていた。
「・・・ぁ」
前が見えなくなった。
◇
「ぁ・・・」
前が見えるようになった。どれくらいぼーっとしていただろう。何秒、何分。何時間、は流石にないな。空の色は青のまま。変わっていない。
けれど
「なるほどね。運が良いな今は。」
どうやらスマホがなんらかの役割を果たしていたらしい。ある程度の知識は得られた。
ここはラノベでよくある世界らしい。剣と魔法がある世界だな。王国や帝国といった中世ぐらいの時代らしい。お約束通り、科学はない。
・・・この世界に関する情報はこれで以上だ。うん、少なっ。ほぼ説明ないのと同じだな。国の名前の知識がなければ、通貨に関する知識もない。
これである程度と表現するには無理がある。
疲れたな、とりあえず水で口をゆすいで土の椅子に座る。
予想通り魔法は便利だな。
◇
水を出して喉を潤す。何か飲むこと自体久しぶりな気がするがまぁいいだろう。ある程度の知識、その残りの大部分がこれだ。自分が得た能力。それを俺はほぼ一般常識と同じくらいに把握していた。恐らく、あの吐血はこのバカみたいな情報量のせいだろう。
それにしても
「盛りすぎでは?」
流石にこの量は思い浮かべることができるとはいえ一旦整理が必要なのは悩むまでもない。
まず、魔法だと思われるもの。いきなりド本命だな。種類としては、所謂属性で分ける。色々種類があるっぽいがまずは基本と言われる属性を確認すべきか。見る限り火、水、風、土、光、闇あたりがそうか?
よくある属性だ。個人的には雷とか氷とか、もっとあるのかと思ったがその系統はないな?まぁいいか。他の属性は空間、時があるな。もうこの時点でヤバい気がする。あともう一つあるが、これに関してはノーコメントだ。当分は封印決定。使う日が来ないことを祈ろう。
ラノベみたいに名前を口に出したら発動、とかなのかと思ったが、そもそも名前が分からない上、イメージしても出て来ない。ただ、さっきはイメージだけで出てきた。必要ないのか、知らないだけなのかはまだはっきりしない。要注意だな。属性に関しても同じ扱い決定。他の属性があるのか調べようがないし、俺は他に持っていないから。
「実験が必要だな。」
そういえばこの世界にはスキルとかステータスとかは無いっぽいな。能力を把握して出て来ないから間違いないだろう。あと魔法があるから魔力もあるっぽいな。意外と感じ取れる
次、その他。二つ目でいきなり雑なのは魔法と比べて説明不可能だから。厳密に言えば不可能というわけではないが、うん、無理。情報量が少なすぎるからだね仕方ないね。
一例をあげれば
『武器』
どういうこと?
能力の中にポツン『武器』とはなんぞや。この二文字以外何もなし、終了。予想はできるがいらんだろはい次。うん終わり。次なんてなかった。
あと確認が必要なのはこれからのこと。まぁラノベとかでよくある通り近くの町を探すか。あ、その前に能力の確認をしてからだな。
今日はいい。趣味が出来て、少し興味があるものが出来た。意識が薄れる直前ノイズがかかった何かがいた、はずだ。それを探してみるとしよう。とはいえ、そこまで優先度が高い訳でもない。いつかの目標と行ったところだな。それを見つけたら俺は
「⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎」
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