　癒しが欲しいときに限って、仕事というものは立て込むもので、急ぎの測定が大量に入って分析室に数日缶詰め。残業待ったなし。

　物理的にも精神的にもカラカラ乾燥状態。

　だから、そんな時の村雨さんは、最高に神でした。

　というか本物ですか、この村雨さん。

　だって、飲食物持ち込み禁止の分析室に飲み物とアイスの入ったコンビニ袋を持って、何だか今にも泣きそうな顔でこちらを見下ろしている村雨さんなんて、カラカラ限界な自分が生み出した妄想の神かなと、どこか凪いだ頭の自分が冷静に自己分析していたので。

　よ、分析屋の鑑！

　でも渡された物は確かに冷たくて、自分の目から零れた涙がひどく温かったので夢じゃなかった。

　村雨さんも本物でした。

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