第5話 大気圏突入

クリスタルエアは、ネメシス帝国との戦いの後、地球へ向かうための準備を進めていた。消耗した補給物資も確保し、次の任務地である地球へと旅立つ時が来た。だが、その前に待ち受ける試練は地球の大気圏突入だった。


「全クルーに告ぐ。これより地球の大気圏に突入する。」艦長ベリンダ・サンシャインの声が艦内に響く。「この過程は危険を伴うが、全員が冷静に対処すれば乗り越えられる。各自、指示に従うように。」


「大気圏突入の準備は万全です。」オペレーターが報告した。


「了解。全クルー、配置につけ。」ベリンダが命じる。


クリスタルエアは地球の大気圏に突入し始めた。巨大な戦艦が火の玉のように輝きながら、地球の重力に引き寄せられていく。


「みんな、緊張しないで。これは訓練で何度もシミュレートしてきた。」サラがクルーたちに声をかける。


「そうだね。これまでの訓練が生きる時が来たんだ。」ハンナが頷く。


「よし、行こう。私たちならできる!」アリスはガーディアンのコクピットに座り、決意を新たにする。


しかし、その時、警報が鳴り響いた。


「敵バトルメカが接近中です!」オペレーターが緊急報告する。


「大気圏突入中に追撃を受けるとは…これは厳しい状況だ。」ベリンダは冷静に分析する。「アリス、迎撃の準備を!」


「了解です、ベリンダさん!」アリスはガーディアンを起動させ、迎撃態勢に入る。


大気圏突入中の激しい炎と圧力の中、アリスはガーディアンを操作し、ネメシス帝国の追撃部隊に立ち向かった。敵バトルメカはクリスタルエアを撃墜しようと必死に攻撃を仕掛けてくる。


「ここで終わりにさせない!ガーディアン、お願い…!」アリスはビームライフルを発射し、敵機を狙い撃つ。


「アリス、後ろにもう一機来る!」サラがセラフィムで援護射撃をしながら警告する。


「ありがとう、サラ!」アリスはすばやく回避行動を取り、反撃の準備を整えた。


「させるか!」カレンがシャドウファングを巧みに操り、敵機を奇襲する。「アリス、今だ!」


「よし、行くよ!」アリスはビームキャノンを全力で発射し、敵バトルメカを撃破した。


「まだ終わらないわよ!」リリィがブレイズフィールドで強力なフレイムキャノンを放ち、敵機を焼き尽くす。


「アリス、次は右前方だ!」ハンナがブライトスターで警告する。


「分かった、ありがとう!」アリスはガーディアンを操作し、右前方の敵に向かってビームソードで突進した。


その時、通信が入った。敵パイロットの声が響く。


「こちらネメシス帝国のエースパイロット、カイル・ハンター。貴方がクリスタルエアのパイロット、アリス・レインボーか?」


「そうよ。あなたがカイル?」アリスは答える。


「噂には聞いていたが、直接対峙するとは思わなかった。貴方のガーディアンの力、見せてもらおう。」


「私は守るために戦うの。あなたたちには負けない!」アリスは強い決意を持って答えた。


「守るためか。ならば、その覚悟を試させてもらおう。」カイルは冷笑を浮かべる。


アリスはカイルのバトルメカ「タイラント」と激しい戦闘を繰り広げた。タイラントは黒と赤を基調とした威圧的なデザインで、強力な火力を持っていた。


「アリス、私が援護する!」サラがセラフィムを操縦し、カイルの攻撃を防ごうとした。


「ありがとう、サラ。でも、これは私の戦いでもある。」アリスは冷静に応じた。


「その通りだ、アリス。貴方と私の決着をつける時が来たのだ。」カイルが挑発した。


「私は絶対に負けない!」アリスはビームライフルを発射し、カイルのタイラントに攻撃を仕掛けた。


カイルは巧みに攻撃をかわし、反撃に出た。「その自信、いつまで持つか見ものだな。」


二人のバトルは白熱し、周囲の空間が揺れ動いた。


「アリス、時間がない!早く決着をつけないと!」ベリンダが緊急通信を入れた。


「分かりました、ベリンダさん。」アリスは戦闘を続けながら応じた。「カイル、これで終わりにしましょう。」


「そうだな、決着をつける時が来たようだ。」カイルがタイラントを操縦し、最後の攻撃に備えた。


アリスはガーディアンの全エネルギーを集中し、ビームキャノンを発射した。カイルも同時に攻撃を仕掛け、二人のビームが激突した。激しい閃光が走り、周囲の空間が揺れ動いた。


「やった…これで終わりよ、カイル。」アリスは息を切らしながら呟いた。


「今回は貴方の勝ちのようだ。しかし、次はどうなるか分からないぞ。また会おう、アリス。」カイルはタイラントを撤退させた。


「みんな、脱出準備!」ベリンダが全クルーに命じた。


アリスたちは急いでクリスタルエアに戻り、基地の崩壊が迫る中、クリスタルエアはギリギリのタイミングで大気圏を突破し、地球への降下を続けた。


「アリス、みんな無事でよかった。」サラが安堵の表情で言った。


「ありがとう、サラ。みんなの協力があったからこそ、乗り越えられたんだ。」アリスは微笑んだ。


「次はもっと厳しい戦いが待っているかもしれない。でも、私たちは負けないわ。」カレンが決意を新たにした。


「そうだね、未来を守るために頑張ろう!」ハンナが力強く言った。


「絶対に諦めない。私たちの戦いは続く。」リリィが意気込んだ。


クリスタルエアは無事に大気圏を突破し、地球への降下を続けた。アリスたちの戦いはさらに厳しいものとなっていくが、仲間たちの絆と協力の力を信じて、彼女たちは未来を守るために戦い続けるのだった。

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