第17話

***

スマホの着信音が鳴る。画面に表示された名前はあいつだった。

一瞬躊躇したが、仕方がない。俺はしぶしぶ電話に出た。


「もしもし」

応答を押しスマホを顔に近づける。

「……」

 

しかしあいつは何も言わない。


「何。イタ電は鬱陶しいて」

 

俺は苛ついた声で言う。黙って切ればいいのに、それでも付き合ってやるのは自分のどうしようもないサガで、それは自分の嫌いなところでもあった。


「どうせ彼女のことだろ? だからちゃんと話せって、今日はもう家に入れんからな」

「光輝」

 

びっくりするほど重たい声で電話の主は俺の名前を呼んだ。


「何」

「お前なんか大っ嫌いだ」

 

暗い声が電話越しに伝わる。


「はー⁉」

 

そう言っても返事は無い。画面を見ると電話はもう切れていた。


「ちっ! 何なんだあいつは」

 

俺はスマホをベッドに投げつけた。


「なんでみんな、あんなやつが良いんだよ……」

 

俺はベッドに頭をうずめた。

ロック画面に映る笑顔のハルちゃんは、虚しく俺を照らしていた。










--------

今回短くてすみません><

ショウタロウ編はこれにて完結となります。そしてコウキ編へと続いてまいります。

挨拶が重複しますが、ここまで読んでくださった方がいらっしゃったら本当にありがとうございました!

最大限の感謝の気持ちを示すため三転倒立をします。嘘です。逆立ちも出来ない運動神経ゼロダメ人間でございます。

もしよろしければ完結までご伴走いただけると幸いです^^


 


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