第6話 クラスメイトの美少女には隠し事があるらしい?
高校一年生の
「私、この前、スカウトされたお」
「へえ、凄いね」
「可愛いから街中でも目立つし、やっぱ、スカウトされるよな」
休み時間の教室内。
彼女は美少女なのだ。
噂によると、中学の頃、美少女コンテストで準優勝したという経歴をいくつか持っているらしい。
確かに、どんな服を着ても可愛らしく見え、笑顔も可愛らしく、はにかんだ表情だけでも利益を出せるほどの逸材に思える。
そんな子を、普通の事務所なら放っておかないだろう。
「スカウトって事は、どこかの事務所に所属することになったの?」
「え……まあ、それは後で教えるお」
アリスは動揺している。
少々俯きがちになっていた。
「えー、勿体ぶらないでさ、教えてよー」
「SNSとかの活動は?」
アリスはクラスメイトからの質問攻めにあっていた。
「そ、それは……それについては、私。あまり個人情報はあまり出したくないお。変に目をつけられても困るし……」
「そうだけど、活動するならSNSもやらないとね。注目されればもっと活躍の幅も広がるよ」
「そ、それは、後で考えておくお。えっと、その……こ、この話は終わりッ!」
その子は席から立ち上がり、教室から出て行った。
教室の後ろ側の席に座っている新人は、さっきの光景を眺めていたのだが、何となく彼女の気持ちを察する事が出来ていた。
多分、ただ注目されたいだけなのだと思われる。
本当は――
いや、何も言わない方がいいかもな。
新人は軽くため息をはき、次の授業に使う教科書を机の中から取り出すのだった。
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