02 駄目でしょうか?
冒険者ギルドに入ると、少しだけ僕に視線が集まる。
だがすぐに興味を無くしたように視線を元に戻す
奥にあるカウンターに3人の女性が受付をしているようで、その中の左側が開いているようなので、そちらに向かう。
そのカウンターにいたのは金色の長い髪で豊かなお胸、そして猫耳なお姉さんだった。お疲れなのか自分の肩を揉み、大きく伸びをしている。
「すみませーん。冒険者登録したいですー」
僕はその女性に声を掛ける。
「はーい。あらボク。登録希望?」
「はい。駄目でしょうか?」
もしかしたら年齢制限があるかもと聞いてみる。
「開化の儀すぎてるわよね?」
「はい」
「じゃあ大丈夫よ。クラス授かってすぐくる人も多いから」
「よろしくお願いします」
どうやら大丈夫なようだ。
そのお姉さんはローラさんと言うようだ。
登録は自己申告らしく名前はそのままアレス、クラスは盗賊でレベルは1、スキルなしと申請した。
早速作ってもらった冒険者カードを確認する。
木の板のように見えるそれには、名前とクラス、冒険者ランクを示すFと記載があった。
一応魔道具の一種で、ランクが上がれば自動的に見た目も変わり、本人以外が持つと真っ赤になるとか…話には聞いていたがやっぱり謎システム。
Fランクは木目調のウッド級のひよっこ冒険者。同じようにランクごとに色合いが変わり、Eランクはアイアン級、Dランクはブロンズ級、Cランクはシルバー級、Bランクがゴールド級となる。
そしてAランクが青みがかった金属のような見た目の、ミスリル級と言うのがが最高位のようなものらしい。
Sランクもあると言うが、それはプラチナ級と呼ばれ真っ白な光るカードになるらしい。今現在は国内でがだた一人、剣聖・ウイルソン様だけだという。
「じゃあ、依頼についても説明するね」
そう言ってローラさんはいつもの事であろう説明を始めた。
依頼は一つ上のランクや、パーティでなら一番上のランクの人と同じランクなら受けられるとのこと。
失敗でのペナルティは無いけど、故意に遅延や失敗をすると評価が下がり、ギルドから仕事が回せなくなることもあるとか。だから無理の無い範囲で依頼を受ける事。と言われてしまった。
大まかな説明が終わり、ふぅとため息をつく。
「あと、パーティを組むならギルドカードにリンク機能があるから使ってね」
「リンク機能ですか?」
「リンク機能はね、パーティ登録したい人たちの冒険者カードを使って、経験値をある程度分配できるようになるの。登録用の魔道具はここにあるからいつでも声かけてね」
「分かりました」
実際あまり分からないが、パーティ組む時は使うだろうしその時で良いかと思った。
「という訳で…アレスくんのような新人さんは、街の中でのお手伝いとか、街の外で薬草採取なんかだけど…盗賊クラスよね?」
「はい。スキルはありませんが…」
僕の返事を聞いて少し考えているローラさん。
「あっ、ニックさん。丁度良いところに…」
「ああ、ローラ。ご飯のお誘いかい?」
「いえ、それは無いです。ちょっと相談で」
ローラさんに声を掛けられた男性、ニックさんはガッカリしているようだ。紺色の服の上に胸だけを守る黒い軽鎧のようなものを着ている。
ローラさんと何やら話をしているが、どうやら話はまとまったようで、2人がこちらに視線を向ける。
「アレスくん。僕も盗賊職なんだ。暫く一緒に僕のいるパーティでレベル上げでもするかい?最低限の報酬は分配するからさ」
「えっ!いいんですか?」
「ああ。もちろんだ」
ニックさんのちょっと無法者のような顔からは、想像もしていなかった優しい提案を受けた僕は、地元で成り上がろうと頑張っているCランク冒険者パーティ『風の旅団』にスカウトされた。
『風の旅団』のリーダーはザックさん。戦士クラスで剣を使って前衛を務める。もう一人はレイリアさんという綺麗な女性だ。魔法使いクラスで後衛で魔法攻撃をするという。そしてニックさんは盗賊クラスなので斥候とアイテム管理が仕事らしい。
僕はあらかじめ能力値が1であることを伝えた。
だがリーダーのザックさんは「まあ少しレベルを上げてみろ。そうしたら何かあるかもしれん」と言ってくれた。
開化の儀を終えたレベル1の時の能力値が、その人の基礎値となる。
基礎値×レベルの0.1倍がその基礎値に上乗せされる。
基礎値が10ならレベルアップごとに1が上がり、レベル10で19だ。これがこの世界の常識だ。
だから僕の場合、レベル10なら1.9。よって1だ。レベル11で初めて2となる。レベル101で10という能力値になるはずだ。どう考えても弱すぎる。
もちろん基礎値を倍化する[力強化]や[魔強化]などや、基礎値を増やす[硬増加]や[速増加]のスキルなども発現することも多い。これらはどのタイミングで発現するか分からない。
だが僕の場合はそれらがいくつも発現することを願うことでしか、冒険者としては活動できないだろう。
「だが、アレスはあまりに低いから、そういう底上げスキルを多く覚えるかもしれんぞ?」
「そうそう。アレスちゃんも諦めちゃだめよ!」
ザックさんやレイリアさんはそう言って僕を励ましてくれた。
そして、早速受付でリンク機能を設定してもらい、軽い荷物持ちでなんとか3人についていくだけのお荷物状態で、街の近くの迷宮でレベルアップを繰り返した。
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ローラ
地方都市、クールビレ男爵領の冒険者ギルドの受付のひとり。
金色の長い髪で豊かなお胸、そして猫耳な猫人族のお姉さん。アレスを優しく見守っている。只今優しく頼れる彼氏募集中。
この世界の能力値の概念のおさらい
基礎値×((レベル-1)×0.1))が基礎値に上乗せ。アレスの場合レベル101だと→1×((101-1)×0.1)=10となる。つまりレベル101で1+10=11がアレスの各能力値となる。
基礎値を倍化する[力強化]や[魔強化]、[魔力強化]などや、基礎値を増やす[硬増加]や[速増加]、[体力増加]のスキルなども発現することも多い。
通常のスキルは多い人で10個程度のスキルを一生で覚えて行くのだが、強化や増加スキルは別で、底上げスキルと言われ、稀にだがすべてのステータスの強化と増加を覚える人もいるぐらい良く発現する。
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