第30話 僕は婚活パーティーに参加してみた。
30歳を超えて『子供部屋おじさん』になりつつある僕のために両親も遠い親戚や一族で良い人がいないか探し始めたが、自分にも出来る事が無いかと婚活パーティーに参加してみた。地元では僕がイジメられていた過去を知っている人と会うかもしれないし、職場近くでは恥ずかしいし、結局大阪に出ることにした。ネットの口コミで高評価だった「カップルパーク」という会社が主催するパーティーに申し込んだ。ありがたい事に僕は公務員や公的団体に在籍する男性限定のパーティーに参加でき、女性はその職業にターゲットを絞った本気の参加者が多い。きっと女性の方から積極的なアピールがあり、僕は選ぶ立場になるはずだった。
パーティー当日。男性12名女性15名の参加者があり、男女共に20代後半から30代前半の年齢層だ。陽気な司会者からパーティーの流れの説明があり、さっそく回転寿司方式の顔見せから始まった。女性が座っている向かい席に男性が一人座って、2分程度の挨拶と自己紹介の後、時計回りに1つ席を移ってまた隣の女性とお話しする。これを女性15人分繰り返し、一通りどんな人がいるのか面通しするのだ。女性が3人分多いのであふれた女性はその間休憩だ。
男女ともこの面通しで気に入った3人を主催者が用意したメモ用紙に記載し、それを提出すると、男性⑤番から女性④番へ「興味があります」、女性⑩番から男性②番へ「もっとお話ししたい」などの好意を伝えることができ、この後のフリータイムを盛り上げるための仕掛けもあった。僕も15人全員とお話ししてみたが、一人飛びぬけて可愛い子がいただけで、他は普通かデブやブスで明らかに「Gmen1919」の女の子の方が可愛い。また、厚かましい事に僕より年上の30代女性も5人くらいいたし、高卒の家事手伝いも1人いる等、最初から選択肢にならない女もいた。僕は飛びぬけて可愛い女と、普通だが童顔で純粋そうな女2人の計3人を選んでメモを提出した。
フリータイムは5分1ターンの入れ替え制で、男性が席を移動して女性がいる席に行くのが1回目と3回目。女性が席を移動して男性がいる席に行くのが2回目と4回目で行われる。移動する方は必ず1対1になるように席に着く必要があり先着順だ。いくら人気があっても1ターンの5分間は一人としか喋れない。
1回目のフリータイム開始直後は地獄絵図だった。飛びぬけて可愛い女の席に男性のほとんどが駆け寄ったのだ。僕も行きたかったが割り込む余地が無かったので、童顔女Aの席に着いた。司会者が男性の交通整理をして1対1になるように席に着かせフリータイムスタート。僕が席に着いた童顔女Aは僕の事は眼中に無かったのだろう、明らかにつまらなそうで会話はすぐに途絶え、女はスマホを触りだした。2回目は女性が動くが、こちらは特定の一人に殺到することなくパラパラと席に着いていき僕の前にも年上女が座ってくれた。とは言え、この女性もお目当ての男性席からあぶれたのだろう、席に着くなり「何か食べ物か飲み物いりますか?」と聞いてくれて、僕が「特に何も」と答えると、女性は席を立って主催者が用意したサンドイッチとオレンジジュースを持って戻って来て、目の前で一人飲み食いを始めた。この頃には主催者が参加者の好意メモを全員分配り終わり、飛びぬけて可愛い女のように多数の異性からメモを貰った人もいれば、僕のように1枚も貰えない人もいた。ほとんど女性と会話することなく2回目も終わった。3回目は男性が移動する番なので、僕は童顔女Bの席に座った。自分の目の前が空席で恥ずかしい思いをするよりはましと思ってくれたのか、童顔女Bは愛想笑いをしてくれた。そして「パーティーは何回目ですか?」、「なんでわざわざ奈良から大阪に来たんですか?」、「どこに行けば公務員と合コンできますか?」など一応話しかけてくれたが会話の内容から脈が無いのは明らかだ。4回目は再度女性が移動する番で、僕の前にもすぐに女が座ってくれた。しかしその女は僕の隣の男性の前に座った女と女同士で話をしだした。一緒にパーティーに参加した女友達だったのだろう、二人並びで空いている僕と僕の隣の男の前に座り、こちらにはお構いなしで「今日はイマイチだったね」などと女同士で反省会を始めたのだ。
フリータイムの後、一人だけ異性を選びマッチングだ。これも主催者が用意したメモに異性の番号を書いて提出し、司会者が番号を突き合わせて確認する。今回は3組がカップル成立したようだ。男性x番と女性x番など読み上げられていくが僕の番号は呼ばれるはずはなく、ただ他のカップルに拍手を送るだけだった。
全く収穫が無い婚活パーティーだった。軽食は出たものの約3時間使って連絡先の1つもゲットすることができない。普通のコミュニティ内ではなく、出会いを求める場の中でさえ僕は選ばれなかった。女性の方が人数が多かったし、年上女など僕の方からお断りしたい女からさえ何のアプローチも無かった。こんな事なら「Gmen1919」で仮想彼女にチンチンを抜いて気持ち良くしてもらった方が満足できたではないかと思うが、とにかく自然にでも人為的にでも出会いを作り、相手を見つけなければならない。あまり効果的な手段ではないかもしれないが今後も婚活パーティーに参加することにした。
僕が30を超えても中々彼女ができなくて落ち込んでいる時、信也は「生きているだけでも儲けもの」、「敗者がいなければ勝者も存在しえない」、「生きて、何かをしているだけで世の中や社会に貢献している」と優しく励ましてくれたが、年下(できれば10代)で、可愛い処女と付き合って結婚するという望みは絶望的かもしれない。僕のような男でも敬意をもって接してくれて、従順な処女となれば偶然の出会いで見つけることは困難な年齢になってしまった。僕は女性へ処女性、清純さや従順さを求めるあまり、この頃から穢れ無い小中学生のジュニアアイドルの応援にも目覚め始めた。あの子達はファンである僕達一人一人と真剣に向き合ってくれるし、イベントでは手を握ってくれるし、一緒に写真も撮らせてくれる。僕はアイドルたちとの恋愛を妄想しながら夢を見るのだ。
今、目の前にあるエロ本「リュクべっぴん」は高校生の時に買ってからずっと部屋に隠し持っている。パソコンでエロ画像やエロ動画を見ることができる今でも手軽に取り出してオカズに使えるのが良い。僕は幼い顔立ちにロリ体型の女の子が載っているページが昔から気に入っていて、何度もこの子でオナニーしてきたが、もう10年以上の年月が経っている。僕は10代の頃と変わらず一人で、同じお気に入りのオカズでシコシコしているが、この子も現実世界では今頃30歳前後になっていて、頬やお尻の肉が弛み、お腹に肉も付いているかもしれない。こうして世界中に裸を晒したにもかかわらず結婚して子供もいるかもしれない。僕だけがモテないまま時間の流れに取り残されていて何も変わっていない。
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