第28話 僕は心の中で祝福した。

 僕が部屋を出てからもお楽しみは続く。信也が身に着けている小型カメラで墓野くん達がいる部屋の様子が分かるのだ。

 青くん白くんから暴行を受けて大人しくなった墓野くんを芋村さんがいるベッドに上げて仰向けに寝かせる。手を後ろで縛られているので墓野くんの腰と言うか腹が少し突き出している形になっている。芋村さんは全裸のままベッドの上で三角座りをしてシクシク泣いていたが、信也が近づいて「次は彼氏とセックスしろ」と小声で言うと、また大粒の涙を流した。

 「彼じゃなくて俺達とする方が良いのか?」芋村さんは首を横に振る。

 「毎週のようにラブホでやってるんだから彼氏との方がいいだろ?」芋村さんは小さく頷いた。どうして毎週ラブホでやっているのを信也が知っていたのか?もう考える余裕もないのだろう。

 「彼氏のズボンからチンポを出して騎乗位でやれ。」信也が命令すると、縛られている墓野くんは自分では脱ぐことができないので、芋村さんがベルトを外しズボンとパンツをずらしてチンチンを出した。ズボンをずらそうとした時に墓野くんは少し暴れたが、「安心しろオマエの彼女だ」と信也が言ってあげると大人しくなった。墓野くんは目隠しをされていたにせよ、彼女がどんな目に合ったのか凡そ想像がつくと思うが、チンチンは既に勃起している。まさか彼女とセックスをした相手が僕とは思っていないだろうが、吸い付く音やベッドが軋む音を聞いて想像し興奮したのだろうか?

芋村さんは自分の鞄を指さし「コンドームを着けたい」と目で訴えるが、「そのままやれ。彼氏が芋村さんに中出ししたら二人とも解放してやる。」と信也が二人に聞こえるように普通の声で言うと、芋村さんが墓野くんの上に乗り、言われた通りに何も付けずに騎乗位でセックスを始めた。二人がセックスをしている様子を信也はスマホで動画撮影しているが、今さらどうでも良いのか芋村さんは静かに腰を動かし続けた。


 こんな状況でも墓野くんは中折れすることなく、芋村さんとのセックスで射精した。墓野くんの腰がピクピクしたと思うと、しばらくして芋村さんの腰の動きも止まり、行為が終わったことが分かった。芋村さんが墓野くんから身体を離して立ち上がると、茫然と立っている芋村さんの股間の陰毛には粘りがある白い精液がぶら下がっていて、数秒すると白い雫が墓野くんの膝辺りに落ちた。中出しだったことが分かる。

 高校時代、僕に目の前で自慰行為をするよう強要し、射精したことを馬鹿にしたバカ連中の一人である墓野くんも、僕に犯された直後の彼女とのセックスで射精した。脱がした時から既に勃起していて、途中で萎えたり止めたりせずに最後までヤったのだから僕の事を笑う資格はない。それに僕達は穴兄弟だ。

 「おつかれさま。約束通り僕達は帰るけど、今日の事は他の人には内緒だよ。」信也がティッシュで股間を拭いている芋村さんに近づいて言うと、女は頷いた。

 「あと、彼だけ先にシャワーを浴びてもらうからもう少し待っててね。」と芋村さんに言って、浴室の方を指さす合図を白くんに送ると、白くんと青くんがチンチンだけ出して服を着たままの墓野くんを浴室へ引き摺って行き、縛ったまま床に寝かせるとシャワーを全身に浴びせてびしょ濡れにして二人だけ戻って来た。

 「じゃあ、芋村さんもシャワーを浴びるといいよ。よい休日を」こう言って信也、青くんと白くんの3人は部屋を出た。

 僕達全員が墓野くんの部屋を出た後、芋村さんはまず口に噛まされているタオルを自分で外して浴室へ行き、全身びしょ濡れで転がされている墓野くんが縛られているのを解き、口のタオルを外した。芋村さんは赤く腫れたり青アザになったりの墓野くんを抱きしめて、二人とも浴室でしばらく泣いたようだ。


 これは後日談となるが、この復讐から約半年後、二人は予定通り結婚し、式も挙げた。墓野くんの傷は癒えて普段通りに戻っていたし、芋村さんのお腹に子が宿って膨らんでいたから式場にいた親族や施設職員は何も疑わず二人を祝福した。

 僕の復讐直後、芋村さんは他人に犯された事に傷つき、このまま墓野くんと結婚して良いのか?交際を続けていけるのか?悩み、一時期は二人の仲にすき間風が吹いて疎遠になったようだ。二人はラブホテルでのあの出来事を誰にも話す事ができず、思い出すのも嫌で、しばらく墓野くんは傷の治療に専念し、芋村さんは暗く考え込むぎこちない期間が続いた。

 そんな二人に転機が訪れたのは芋村さんの妊娠発覚だ。そう!あの時に赤ちゃんが出来たのだ。芋村さんはどうしたら良いのか分からず取り乱したが、墓野くんは「元々結婚するつもりで、その気持ちは今も変わりは無い。責任を取る」と芋村さんに伝えて復縁したらしい。それでも芋村さんは墓野くんに「まだ私を好きでいてくれますか?」、「あんな事があったのに、まだ私を抱けますか?」、「あなたの子供じゃなくて、あの臭い男のだったらどうしよう?」とずっと不安を口にし、楽しみなはずの出産をずっと恐れていたらしい。二人は出産してすぐにDNA鑑定を行い、自分達の子供であることを確認して安心したようだ。

 ちゃんとゴムを着けてあげたから僕のじゃなかったけど、二人の間に子供が生まれた事を穴兄弟である僕も心の中で祝福してあげた。僕の女性経験の中で記念すべき素人女子第1号だ。風俗嬢のような「売り物」とは違う普通の「天然物」とセックスをしたのだ。天然物は美人ばかりではないし、美形や美乳ばかりでもない。アソコの周りの毛は最低限しかケアされていないし、テクニックも個人差が大きい。しかしそれでも、代わる代わる不特定多数の男の前で裸になる売り物よりも、恋人やお嫁さんになって自分だけとセックスをする女子がやはり良い。つまり、普通ならば僕だけが独占できる女子。しかも無料で、予約の必要がなく、時間も回数も自由だ。さらにその女子が処女ならば最高じゃないか。名実ともに僕だけの女の子で、僕がセックスを教えてあげると、僕のチンチンで快楽を知り、僕の抱擁にすがり、僕の前だけで甘い声を出すのだ。

 今回は墓野くんへの復讐という形で自分の恋人ではない素人女性とセックスをして半素人童貞へとレベルアップしたが、そう遠くない未来に僕にも恋人が出来て自分の恋人と素人童貞も卒業するはずだ。そしてその先には菫さんや他の同級生と同じように子を産ませ、その子を育て、僕は暗い過去を乗り越えた普通の男性として過ごすのだ。それまでは売り物で我慢するしかない。自己投資だと思ってテクを磨き、恋人との本番に万全の備えをしよう。とにかく、墓野くんと芋村さんには良い経験をさせてもらった。おめでとう。

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